前回取り上げた理論株価について追記していきたいと思います。まず、投資家ならほぼ読んでいるであろうダイヤモンドzaiで取り上げられている理論株価の算出方法です。
ダイヤモンドZAIの理論株価の計算方法
ダイヤモンドZAIの理論株価の計算方法は以下のようになっています。
理論株価=(資産価値)BPS+利益価値(EPS)+成長価値(売上高伸び率)
資産価値はBPS、利益価値はEPSの値を決算書からそのまま持ってくるだけでいいのですが、問題は成長価値の計算です。
具体的には何年分の利益の利益価値と成長価値を加算するかと成長率の設定ですが、これについては業種ごとに年数が決まっているようです。
業種によって加算する年数が異なることのは、ZAI様いわく「業種ごとに成長率が大きく異なるため、過去のデータを業種別に解析し、最適な将来利益の折り込み年数を設定している」ということらしいです。まあ至極ごもっともですね。
設定する年数は、東証の33業種分類全てについて公開されていますが、そもそもこの年数はどうやって決めてるんだよというツッコミどころがあります。
決め方はブラックボックスなのですが、個人的には情報系は伸びそう・・・うーん10年!w、鉄鋼業とはオワコンやん・・・うーん4年!wって感じで決めてると思います。
というのも決め方について絶対的な判断方法がないからです。それを導き出すためにいろんな会計学者が試行錯誤しているわけですし・・・。
まあそれはさておき、この業種ごとの設定年数の平均は大体6年くらいだそうです。証券業が6年となっていますし、まあそのくらいが真ん中でしょうね。
例として、一株当たり純資産(BPS)が200円、今期の予想一株当たり純利益(EPS)が50円、売上高伸び率が5%の建設業の企業があるとすると、ZAIにおける理論株価は、以下のような計算式で求められます。
200+{50×4}+{[50×1.05-50]+[50×1.05²-50]+[50×1.05³-50}=200+200+(2.5+5.13+7.88)=415.51
理論株価の計算理論としてはサスティナブル成長率を用いた残余利益モデルの計算方法に近い感じですね。
終わり
まあ何度も言っているように、理論株価はファンダメンタル分析の1つとして、現在の株価が割安かどうかの目安の1つしてはアリかなーとは思いますが、あくまで絶対的な指標ではないので、今の株価がこの理論株価の数値より低いからといって安直に買うのは大間違いです。
ZAIでは数ヶ月に一度理論株価一覧みたいなのを載せていますが、一見してこの企業がこの株価はありえないだろーっていうような異常値も結構あるので、鵜呑みにしないほうがいいです。
株式投資においてはPERやROE、そしてP/L(損益計算書)やB/S(貸借対照法)といった決算書を読んだ上での総合的な意思決定が大切です。
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