前回のボラティリティに続いて今回はヒストリカルボラティリティとインプライドボラティリティについて取り上げていきます。
まずヒストリカル・ボラティリティとは、株式、為替、債券、コモディティなどの原資産価格の変動度合いを、過去一定期間の値動きデータに基づいて計算し、標準偏差で示したものです。
ヒストリカルボラティリティは、一般的に20日平均HVや、60日平均HVといったように、ある一定期間の平均を年率で表わした数値になります。
例えば、20日平均HVというのは、過去20日の値動きのばらつきを年率にしたもの ということです。ヒストリカルボラティリティは、その元となるデータが何日間の平均なのかが重要です。
なぜかというと、この分析期間の長短によって、同じ投資商品でもヒストリカル・ボラティリティの値は大きく異なります。
まとめるとヒストリカル・ボラティリティ(HV)は、過去においてその価格がどれくらい変動したかを示す指標となり、ヒストリカル・ボラティリティが高いほど価格変動リスクが高く(=安全性が低い)、ヒストリカル・ボラティリティが低い程、価格変動リスクが低い(=安全性が高い)と考えられるということになります。
そして、数値が小さいとき時ほど相場にエネルギーが徐々に蓄積されつつあり、このような状況が続けば近く大きな変動が起こる可能性が高いと判断できるので、ポジションを建てるタイミングとも見ることができます。
次にインプライドボラティリティですが、これは日本語で言うと「予想変動率」となります。
ヒストリカルボラティリティが過去の結果を示しているのに対して、インプライド・ボラティリティは未来を示しています。つまり、HVが過去の継続的な価格変動を元に算出されるのに対して、IVは市場で取引されているオプション価格から算出されます。
数値自体は東証が公開していますし、IVの計算式は複雑なのでここでは省略します。ですが、東証の計算方法は正確性に欠けるようなのでExcelを使って自分で計算するのがいいようです。
とりあえずここでは、IVが高い=そのオプションの買い需要が多い(売り需要が少ない)、IVが低い=そのオプションの買い需要が少ない(売り需要が多い)ということが理解できれば問題ないです。
インプライドボラティリティの正確な計算方法についてはまた取り上げていく予定です。
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