資本コストとは企業が調達した資本全体(借入金や資本金など)にかかる費用(コスト)のことを指します。そして、株主から見れば、出資した(資本)に対して要求(期待)する利益のことで、これを株主資本コストと言います。
ざっくりいうと
負債の資本コスト=金融機関などからの借入金の支払利息
株主資本コスト=配当金(インカムゲイン)+値上がり益(キャピタルゲイン)
となります。
企業における資本コストは、負債に対する支払い利息と株主への配当金の合計(もちろんキャピタルゲインは含まれません)となり、これらの合計を計算をするときに用いられる方法として、WACC(加重平均資本コスト)があります。
例えば、ある企業の負債額が300億円で 負債の資本コストが8,0% 株式時価総額を100億円株式の資本コストを5.0% とすると
総資本は300億+100億=400億で総資本におけるそれぞれの比率は下のようになります。
負債比率 300÷400=0.75
株式比率 100÷400=0.25
なので
WACC= 0.75×8% + 0.25×5% = 7.25% と求めることができます。
また法人税率を考慮すると(法人税率は40%とします。)
WACC= 0.75×(1-0.4)×8% + 0.25×5% = 4.85% となります。
まあこんな感じにWACC自体を計算するのは単なる加重平均なので、難しいことではないのですが問題は株主資本コストの設定です。株主資本コストとは、上で紹介したように投資家が期待する収益(値上がり益+配当収益)、つまり「期待収益率」です。
この「期待収益率」は株主の期待であり、株主の期待は様々である為、このコストを的確に推算するのは難しいです。この「株主資本コスト(期待収益率)」をどのように計算するのかが、ファイナンスの世界では研究命題となっています。(現状ではCAPM理論を使って求めるのが無難であるとされています。)
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