今回は投資する銘柄を選ぶ際に大切な株価指標であるEPSとBPSについて紹介していきたいと思います。
EPSとは?
私たち投資家が企業に投資するかどうかを決める投資基準としては、企業が決算報告書で発表した営業利益、経常利益、当期純利益 (これらの違いについては【株価分析】利益の種類とは?を参照) といった利益項目があります。
もちろん利益の額が多いに越したことはないのですが問題は一株あたりの利益です。のそして、このさらに投資家にわかりやすいよう1株あたりどれくらいの利益を上げているのかを示したものがあります。
それがEPS(1株あたり純利益)というもので、EPSは次のような計算式で算出されます。
EPS=当期純利益(税引き後の当期純利益)÷発行済株式総数
例えばある企業の税引き後当期純利益が10億円、発行済株式数が1億株だった場合は、1株利益は 10億円÷1億株=10円 となります。
EPS(一株当たり純利益)は企業の成長力を示す指標で、過去のEPSの推移を見ることで企業の利益の伸び(成長力・将来性)を分析し、株価を予測するのに役立ちます。
目安としては、予想EPSが5~10%以上伸びていれば優秀な企業だと言えます。
※ただし以下のケースに注意が必要です。
・有価証券などの売却益を利益に計上している場合
・自社株買いや消却などで株数を減らしている場合
このときのEPSは、その企業の成長力を単純には表していませんので注意が必要です。(理由については【株価分析】決算書における利益の種類を参照)
BPSとは?
BPSは通称「一株当たり株主資本」呼ばれ、以下の計算式で求められます。
BPS=株主資本(純資産)÷発行済株式総数
たとえば、資産10億円、負債2億円の会社の場合、純資産は8億円です。そして100万株の株式を発行しているとすると、BPS(1株あたりの純資産)は 8億円÷100万株=800円 という計算になります。
この800円という金額は、この会社が発行している株式1株あたりに割り振ることができる純粋な財産(資産-負債)の額です。
もしこの時点でこの会社が解散するとなると1株につき800円を私たち投資家は受け取ることができる計算となります。
基本的にBPSが高いほど、その企業の経営安定性が高いということになります。しかし他の企業と比較する場合には絶対的な数値ではなく、業種ごとの特徴を捉えた上で比較をする必要があります。
この2つの指標は株価やPBR・PBRの理解の基本となるのでとても大切です。
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