/* プログラミング速報関連記事一覧表示 */

アベノミクスはなぜ大失敗してしまったのか?

経済学
スポンサーリンク

 

 

以前からアベノミクスは成功か失敗か世間では議論されてきましたが、自分自身以前まではアベノミクスが成功なのか失敗なのかはまだわからないという考えだったのですが、ここ最近の経済指標などを見てアベノミクスは失敗したと、はっきり確信しました。なので、今日はアベノミクスの歴史と失敗してしまった原因などまとめていきたいなと思います。

 

 

アベノミクスの始まり

 

アベノミクスは皆さんもご存知のように2011年に安倍総裁率いる自民党が民主党に勝利して第一党に返り咲いたところから始まりました。アベノミクスはかつてのアメリカのレーガン大統領が行った経済政策であるレーガノミクスを文字った大規模な金融緩和による経済活性化政策です。

 

 

 

 

アベノミクスは具体的には3本の矢と呼ばれた景気刺激策で構成されており、これらの経済政策によって景気を活性化させ、デフレスパイラルから脱却しインフレの流れを作り、平均所得や消費者物価指数を上げていこうという体の経済政策でした。実際に就任当初の安倍首相は↓ようなことを言っていました。

 

 

 

 

 

引用元:https://twitter.com/doyoda86/status/1044132669397721088

 

 

安倍首相とアベノミクスによる成果

 

そしてアベノミクスが始まり既に6年以上が経過しました。結果はというと様々な経済指標を見る限り、「アベノミクスは大失敗し日本は取り返しの付かない状態になった」と言わざるを得ないでしょう。

 

経済の好調不調を示す尺度である日経平均株価自体は、アベノミクス開始時は9000円付近だったのが今は20000円まで回復しました(2019年1月現在)。価格だけ見れば90年代半ばのバブルの価格帯ですが、これは日銀がETFを購入することで買い支えているだけに過ぎません。

 

むしろこれだけ政府が主導で買い上げているにも関わらず、バブル時代の最高値を超えられないというのが異常事態でしょう。アメリカのダウなんてずっと最高値を更新し続けていますし。

 

 

引用元:http://kabu-ringi.com/boj-etf

 

 

他にもエンゲル係数・ジニ係数や平均給与所得・消費者物価指数などなど様々な経済指標がボロボロですし、高〇さんみたいな御用学者でもない限り客観的に見て、「アベノミクスは失敗である」としか言いようがありません。

 

 

 

引用:https://dmjtmj-stock.com/entry/2017/05/11/225425

 

 

まあエンゲル係数の他にもアベノミクスの失敗は賃金と物価の推移グラフで簡単に説明できます。

 

引用元:https://twitter.com/junpeiakashi/status/1122357569731694592

 

 

つまり、増税と円安で物価()が急に上がったが、名目賃金()の伸びが物価の伸びを大きく下回ったので、実質賃金()が急落し、消費()が超冷えた。要するに生活が苦しくなっただけです。

 

 

アベノミクスは失敗した政策である

 

そして、アベノミクスが失敗であるということをエンゲル係数よりも分かりやすい経済指標であると言える平均所得を見ると、アベノミクスが始まって8年目である2019年現在の日本の平均年収は20年前に比べて世帯年収の中央値122万円も下がっています。

 

 

 

 

そしてアベノミクスが始まった2011年から見ても会社員の手取りはどの所得帯を見ても低下していますし、世帯年収で見た場合でも低下しています。

 

 

 

 

これで戦後最長の好景気って言われても実際には所得は低下し、低所得層がガッツリ増えていると共に、ジニ係数の数値を見ても格差はますます拡大していますし、これで景気回復で賃金上がってるとか言われても説得力は皆無です。まさに実態なき経済回復と言えるでしょう。

 

 

 

 

 

またアベノミクスになって就職率・有効求人倍率が上がった!みたいな話がありますが、実際にリクルートが試算した求人倍率を見ると、その現実が見えてきます。みればわかるように人のいない中小企業の有効求人倍率が上がっているだけで大企業の有効求人倍率は全然増えていません。中小企業の有効求人倍率にしても少子高齢化で単に人手自体が減っているからにほかならず、別にアベノミクスの成果でもなんでもありません。

 

 

 

 

結局アベノミクスの最初で政策目標として掲げたインフレ目標の2%のずっと未達成で、デフレスパイラルを脱却できていませんし、この20年間日本は全く経済成長しませんでした。巷では失われた20年と言われていますが、このままだと私は失われた30年、いや40年になるのではないかとも思えます。

 

 

大前研一 世界の潮流2018〜19 ―日本と世界の経済・政治・産業より引用

 

 

 

よく民主党時代を引き合いに出して、デフレだと物価が下がるから好都合、経済成長なんてしなくてもいいじゃんという人もいますが、「デフレスパイラルを脱却し緩やかなインフレを起こしつつ経済成長しない限り、私たちの生活は豊かになりません。」この辺は話すと長くなるので割愛しますが「キミのお金はどこに消えるのか」というマンガに分かりやすく書かれているので、オススメです。

 

 

キミのお金はどこに消えるのかより引用

 

 

 

 

 

 

アベノミクスで得したのは誰か?

 

こういう風に、アベノミクスが始まってから平均所得も有効求人倍率も上がっているどころか低下しているわけですが、にも関わらずアベノミクスで景気が良くなったと言っている人はそういう層なのでしょうか?それはアベノミクスが始まる前に日本株を仕込んだ海外投資家でしょう。

 

日銀資金循環統計を見ると、アベノミクス開始以降の海外投資家の日本株値上がり益は100兆円強であり、日本市場の4分の1が外国人投資家の資金なので、20~30兆円もの巨額の富が日本から海外へ流出したということを意味しています。

 

 

参照:https://twitter.com/AdamSmith2sei/status/1026302738232004608

 

 

 

つまりアベノミクスはトリクルダウン(上流層の景気が良くなることで下級国民も景気が良くなる)が起こるという前提で建てられたものでしたが、実際にはトリクルダウンは起こらず上級国や投資家は株価上昇などで潤ったものの庶民には何一つ還元されず、日本の所得格差はより拡大する結果になったのです。これを失敗と呼ばずしてなんというのでしょうか?

 

 

参照:https://twitter.com/pikaru_1207/status/1036248562042978304

 

 

この20年、個人消費は300兆円弱からほとんど増えていません。従業員給与も約150兆円からほとんど増えていません。しかし、配当金は10兆円強増加しました。低金利が続く中、株式を持つ人と持たない人の所得格差は拡大していくと思われます。加えて日銀がETFという形で日本市場に突っ込んだ資金もほとんどが海外の機会投資家に流れているわけで、そりゃいくら金融緩和してバラまいたところで、海外に流れているんだから景気なんてよくなるはずがありません。

 

そしてアベノミクスは日銀による官製相場をつくり出し、投資をしていた人や一部の富裕層こそ潤ったでしょうが、格差は拡大し庶民生活はいっそう苦しくなりました。政府は食のレジャー化などといったアホみたいな言い訳をしていますが、エンゲル係数・ジニ係数ともにこのままだと、今年は過去30年間で最悪の数値になりかねません。

 

 

アベノミクスが失敗した原因

 

さてここからはアベノミクスが失敗した原因についてですが、原因は色々ありますが、一番大きな理由は消費税率引き上げ非正規雇用の2つにあると私は感じています。

 

「政府の借金が全然減っていないので、アベノミクスは失敗した」のではなく「アベノミクスは財政赤字を十分に増やさなかった点がダメ過ぎ」の方が正しいと思います。財務省の圧力があったとはいえ増税は大きな悪手でした。結局財政出動したところで税金の額を増やしているのですからぜんぜん景気刺激になりません。

 

天安門事件があった年と日本のバブルが崩壊したと言われてる年はほぼ同じでそこから同じ年月が日本にも中国にも流れたわけですが、改革に明け暮れて緊縮ばかりの日本は全く成長できず、札刷って国内投資を続けた中国はGDPを3倍以上に増やしています。

 

まあそりゃ30年も「社員は無駄飯だから給料を削れ。若いやつの給料はむだだから非正規、海外に仕事をやらせろ。最近は若者は車を買わないし子供も産まない。草食化だ。なんか内需が減ってるなあ」なんてやってたんだからそりゃ負けるに決まってます。ここから分かる事実としては緊縮財政は悪手だったということですね。

 

もちろんアベノミクスは本当はもっと財政出動を行いたかったのだと私は思います。しかし、今の日本の財政状態では本当につぶれかねず、渋々増税も敢行したのでしょう。ですがその結果アベノミクスも失敗し、中途半端に増税したところで国家財政も回復しないというまさに共倒れ状態になってしまったわけです。

 

そしてアベノミクスでの消費税引き上げとは関係なく、日本国民の可処分所得は社会保障費の増大によりここ20年間減り続けています。いくら金融緩和してもそもそも手取りのほとんどが税金に消えるようなシステムでは到底景気活性化など夢のまた夢でしょう。

 

そして、社会保障費が増加しているのは少子高齢化が原因ですし、だれが悪いのかといういえば20年近く少子高齢化をほったらかしにしてきた自民党が悪いと言えます。だからアベノミクスがー安倍首相がーと責めてもしょうがないと思うんですよね。だれが悪いかと言えば昔の政治家です。

 

 

 

 

アベノミクスが失敗した原因は少子高齢化による社会保障費の増大による増税の他にもトリクルダウンが起きなかったところにもありますが、それは個人的に加えて「トリクルダウンが起こらなかった理由は非正規雇用者数の増加にあるのではないか?」と考えています。

 

というのも従来のように企業が社員の大半を正社員として雇用すれば、金融緩和によって企業の景気がよくなれば、社員の給与所得もあがり、彼らの消費が活性化することで経済に好循環が生まれますが、小泉政権のもとで制定された派遣法により、日本は正社員が企業を支えるのではなく、少数の正社員と多数の非正規雇用のよって維持し、非正規雇用の人々を搾取する産業構造になってしまいました。

 

正規雇用者と非正規雇用者の比率は1992年=4:1だったのが、2017年=3:2。つまり今の日本では雇用労働者の4割が非正規雇用なのです。このためアベノミクスで企業の業績がいくら良くなっても、正社員で福利厚生やボーナスのない非正規雇用の給与にはほとんど反映されず、結果的に上級層だけがより肥え太りますます格差が拡大してしまったのです。

 

しかも企業は非正規雇用の拡大によって人材を育てるのではなく、非正規雇用として使いつぶして搾取する産業構造にしてしまったため、時価総額ランキングを見ても分かるように日本企業の国際競争力はこの20年間で大きく衰退しました。

 

IT分野での遅れなど理由は様々ありますが、これら根本の問題はバブルの不況を乗り越えるために非正規雇用を拡大し即戦力を求め続けた結果、どの企業も人材を育成しなくなった点にあると考えています。

 

 

 

 

この国際競争力の低下は賃金が上昇しないという事でイノベーションを起こす力がなくなってしまったことにも原因があると私は考えています。かつて「モノづくり大国ニッポン」などと言って胡座をかき、多くの技術者を海外に流出させた日本の経営者は彼女の言葉をよく目に焼きつけるべきでしょう。労働者にまともな賃金を払わないということは結果として労働者が物を買えずに景気が停滞するほか、技術者は不満を感じて海外に流出するのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

引用:https://twitter.com/ppsh41_1945/status/1056576422175629312

 

 

従業員50人でやる作業があるとして…機械化や効率化で25人で作業できるようになって、「コスト半分になりました!」ってのが普通のイノベーションなわけですが、給料1/4カットして人員1/4リストラしてみんなで倍の量仕事して「コスト半分になりました!」と計算の合わないことを誇るのが、日本のイノベーションなわけです。

 

その結果、日本の経済はここ20年間世界と相対的に見て衰退し続け、貧しいものはより貧しくなり、上級国民はより肥え太るというまさにマルサスの過少消費説を体現したかのような状態になっています。

 

 

 

 

また日本の人材派遣会社数は世界1位であり、2位アメリカの5倍という狂った現状であり、人口比で考えれば10倍以上でどう見てもおかしいと言わざるを得ません。ちなみに、その先導役が派遣会社パソナで会長は小泉政権のブレインだった竹中平蔵氏です。これが何を意味しているのかはもはや言うまでもないでしょう。

 

 

 

 

 

 

この非正規雇用の拡大とバブル崩壊によって氷河期世代を正社員として育てなかったために今の日本の経済を支えるはずの20~40代の主力層はスカスカになってしまっており、そこに加えて少子高齢化のためのそもそもの労働人口も減っているため、これまでもこれからも日本が国際競争において負けるのは必然でしょう。

 

 

終わり

 

アベノミクスで経済が回復してみんな給料が上がって豊かなはずなのに平均年収はどんどん下がり続けています。ですが、これは安倍首相がどうこうの問題ではなく、非正規雇用や少子高齢化など数年では到底解決できない日本の社会システムの欠陥が原因でしょう。

 

自分は安倍首相が有能だとは思いませんが、野党はもっと酷いですし、消去法で心中していくしかありません。まあ太平洋戦争末期の様に小磯邦明だろうと鈴木貫太郎だろうと誰が首相になったところで敗戦という結末は変わらないという段階に来ていると思います。

 

ひとつ言えるのは、政府が発表している「アベノミクスで経済は順調」というのを、正しく疑う目を持つことが重要だと強く思います。公文書改ざんや憲法の軽視は民主主義を破壊する行為ですが、経済(アベノミクス)がもし偽りだとしたら、それこそ国民の生活が崩壊します。一刻も早く正しい検証が必要です。安倍政権に任せておくと、いつまでも問題は先送りされます。ですが、これこそが安倍政権長期化している真の理由だと私は思っています。

 

 

 

 

というのも、↑の記事にも書いていますが、このアベノミクスというドーピングのような経済政策の失敗のツケは政府の財政破綻orハイパーインフレという形でやってくるでしょう、このツケはいつ爆発するか分からない時限爆弾です。

 

仮に安倍首相以外が総理に就任しアベノミクスが終了してしまえば、日経平均の暴落か上述したようなハイパーインフレなりが起こる、つまり時限爆弾が破裂してしまい、安倍首相の次の総理の責任になるのです。これがみんな分かっているいて、誰もその貧乏くじを引きたくので、次の首相になりたがらず安倍首相を支持する→安倍首相の長期政権化に繋がっているのはないかと私は考えています。

 

実際世界的に著名な投資家であるジム・ロジャーズ氏は2014年2月のロイター通信インタビュー/アベノミクスの行方について聞かれた際、 「安倍氏は日本を崩壊させます」「お金だけ刷りまくり全くの無策なのですから」「5年後(2019年)を見て下さい」とアベノミクスが始める5年前からこの失敗を見通していたわけですから大したものです。

 

 

 

 

 

「アベノミクスで景気を回復してみます!」と宣言する ⇒日銀が株を大量に購入して株価をつり上げ、景気回復をアピールする ⇒賃金が増えたように見せるために、毎月勤労統計を捏造する ⇒ 景気回復を理由として消費税を増税する。これで「戦後最長の景気回復」とか昔の大本営発表を笑えません。恐らくこの安倍晋三という人物は、東条英機と同じように日本を破滅へと導いた首相として後世に語り継がれていくでしょう。

 

そして、アベノミクスがいつ終了するのかは分かりませんが、そう遠くない未来でしょう。だからこそ今から日本株を買うのはやめておくべきですし、円以外のにもドルなり仮想通貨なりに自分の資産を分散投資しておいたほうが良いと思います。

 

 

 

 

 

 

 

/* プログラミング速報関連記事一覧表示 */
経済学 金融知識
スポンサーリンク
刃牙をフォローする
投資まとめ

コメント

タイトルとURLをコピーしました