米国の仮想通貨企業Circleは、SEC（米国証券取引委員会）の抗議を無視してIPO（新規株式公開）に乗り出す大胆な動きを見せている。Circleは、社長兼CEOのジェレミー・アリアスが率いるブロックチェーンベースの金融企業で、世界中の200万人以上のユーザーが利用する「USDC」というステーブルコインを発行している。
2021年4月27日に発表されたCircleのIPO計画に対し、SECは非常に批判的な姿勢をとっている。SECは、IPOに先立って発行された「SAFEトークン」が証券として登録されていないため、投資家保護上の問題があると指摘している。Circleは、その後、SECの承認を受けるためにSafeTokeの発行を中止することに同意した。しかし、CircleはIPO計画を変更せずに進めるための秘策を持っているようだ。
CircleがIPOに乗り出す理由は、仮想通貨市場の拡大に乗じて成長を加速するためだ。Circleは、2020年にビットコインの急激な価格上昇を受けて、取引量が約30億ドルに達し、売上高も99億ドルと急増した。Circleは、IPOによって新たな資金調達を行い、ビットコインなどの仮想通貨取引所の拡大に取り組むための基盤を整えることが狙いだ。
一方で、Circleは従業員のために売却可能な株式を発行しており、IPOによって従業員に利益を還元することも狙っている。CircleのIPOは、従業員の信頼を維持するためにも重要なものとなっている。
Circleは、市場拡大と従業員の利益還元を実現するために、ブロックチェーン技術の活用や新たなパートナーシップの構築などの施策を進めていくことが必要だ。SECとの交渉も継続しており、CircleはSECの要求に応じることで、IPOを実現する最適解を探っている。CircleのIPOは、仮想通貨市場におけるイノベーションや成長の可能性を示唆するものとなるか注目される。
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