株式の評価方法は、大きく下の3つに分類されます。
(1)マーケットアプローチとバリューアプローチ
(2)収益力評価モデルと資産価格評価モデル
(3)絶対評価アプローチと倍数アプローチ
「株式市場で株価がどのように決定されているかを分析しモデル化したもの」をマーケットアプローチと言い、「企業の価値との関連において株式の根源的価値を決定しようとするモデル」をバリューアプローチと言います。
マーケットアプローチは株価収益率の変動から資本コストを決定するモデルとしてCAPM理論をモデルをベースとしたファクターモデルや※P/B-ROEモデルなどがあります。
※P/B-ROEモデル:株式市場において、ROEに対するPERの関係を分析したアプローチ手法のこと。
マーケットアプローチによる具体的な銘柄の選別は、経営指標などと回帰分析を行ない、その回帰線からの乖離を投資尺度とします。
一方、バリューアプローチとは企業のミクロ財務情報などから株式価値の測るアプローチを指します。このアプローチの代表的なものにはDCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)、DDM法(配当割引モデル)、RIM(残余利益モデル)があります。
これは企業を収益力と資産価値の二つの面で評価していく方法です。収益力評価の代表がPERで、資産価値評価の代表例がPBRです。近年はこの2つを相互補完した株価モデルも作られています。
倍数アプローチとは、先ほど出てきたPER・PBRのような、一株当たりの利益や資産額に対して、株価が何倍まで買われているかを示すもので、対する絶対評価アプローチとは株式の絶対評価を行い、それを現在の株価で除したV/Pレシオを投資指標とするものです。
絶対評価アプローチでは妥当株価を算出する上においてもPERやROEや自己資本利益率などの様々なパラメータが必要となり現実的には絶対的な推計はほぼ不可能なケースが多いのに対して、倍数アプローチはシンプルに推計ができます。
これらの分類は厳密なものではありませんが、株価評価モデルを体系的にとらえる際には役に立つ概念なので頭の片隅くらいには入れておいていいと思います。
追記:企業価値についてはコチラの企業価値の神秘という本がとても分かりやすかったので紹介しておきます。
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