新株予約権とは？
新株予約権とは、あらかじめ定められた条件で会社に対して新株式の発行、または自己株式の提供を請求し、その株式を購入できる権利のことを指します。
その中でも、会社の取締役や従業員などに対して就業意欲向上の目的などで、付与する『一定期間内に、あらかじめ決められた価格で、所属する会社から自社株式を購入できる権利』を『ストックオプション』といいます。
新株予約権の具体例としては「A社の株を1年以内に1000円で購入出来ます」といったようなものです。
総会時期に送られて来る決算報告書などには、新株予約権の状況などが記されており、新株予約権発行の条件次第では株価の上昇を阻む要因となるので注意が必要です。
新株予約権のメリットとデメリット
新株予約権発行のメリット・デメリットを軽く説明しておくと、まずメリットとしては新しく株式を発行するだけなので利息の支払い義務などがある銀行からの借入などよりも安全な資金調達ができます。
また新株発行により、特定株主の割合が増えることで、上場企業がもっとも警戒する第三者（投資機関や企業）からの敵対的買収：TOBに対して、対抗力をつけることができます。
実際、外部から把握できない新株予約券はポイズンピルとして、敵対的買収に対する代表的な防衛策としてよく取り上げられます。
一方デメリットとしては、新株予約権の行使により新株が発行された場合、一株当たりの価値が下落するためので株価は下落する可能性が高くなります。
低位株のクソ株で過去に債務超過を回避するために、やみくもな第3者割当増資をしていた場合、株価が一定価格まで上昇したとき新株予約券を行使できるというような条件で、新株予約券が発行されていることがあり、そういうときは株価の上昇を阻害する要因となるので注意しなければなりません。
そういう意味をあって決算書で、新株予約券の状況を把握しておくことも投資の上では必要です。
ストックオプションの存在
新株予約権の一種にストック・オプションというものがあります。
これは新株予約券の中でも役員や従業員に対するインセンティブ目的で発行される新株予約権のことを指します。
基本的に自営業でもなく、投資などの資産運用を行っていないサラリーマンが大金を手にするための手段としては、このストックオプションと宝くじしかありません。
というのもこのストックオプションというのは、入社してから自分が頑張ってその企業の企業価値（株価）が上がると大きな利益を得ることができます。
実際に若き日のGoogleで食堂の料理を作っていたシェフはこの持ち株制度を使ってGoogleの株式を購入していたところ、その後Googleは急成長し彼は自分の店を出せるほどの大金を手に入れました。
なので、就職の際も企業の将来性と持ち株制度の存在に注目することは非常に大切なことだと思います。
まとめ
最後にまとめると、新株予約権とは企業側からすれば従業員の意欲向上に繋がりリスクの低い資金調達手段であり、投資家側からすると株価の下落要因になる可能性の高いものという感じです。
ですが、有名な投資ファンド持っていたりするとそこが保有している新株予約権の予定価格以上まで上がる可能性が高いという思惑もありますしケースバイケースだと言えます。
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