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【金融知識】大企業の内部留保は還元すべきなのか?

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・内部留保とは?

 

俗にいう内部留保とは、企業の純利益から税金・配当金・役員賞与などの社外流出分を差し引いた残りで、「社内留保」ともいいます。

 

簡単に言うと、「企業の儲けの余り」のことで、会計上は「利益準備金」「任意積立金」「繰越利益剰余金」などの項目で、貸借対照表の純資産の部に計上されます。

 

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参照(http://www.mel-con.co.jp/opinion/op59.html)

 

 

これまで外需拡大の恩恵に浴してきた日本企業、とりわけ輸出型製造業の内部留保は、欧米の企業に比べてきわめて厚いと指摘されています。実際、製造業大手2200社の利益剰余金は約300兆円で、景気低迷期(02年)の55兆円から大幅に増加しています。

 

その一方で、従業員の給与の総額は22兆円から21兆円へとダウンしている。このため、景気後退局面に入った頃から、企業が抱えている巨額の内部留保を従業員に還元すべきという論調が出始めました。

 

 

・内部留保≠現金という事実

 

よくニュースでは、日本企業のため込んでいる内部留保は約300兆円あり、これらを社員なりに還元すれば景気は良くなるといった経済学者の方をちらほら見かけますが、この考えは少しおかしいです。

 

さきほど上で触れたように、俗にいう内部留保というのは貸借対照表(B/S)における「純資産の部」に属しているので、れっきとした株主の資産であり、これを勝手に従業員に還元することはできません。

 

 加えて企業は、内部留保のすべてを現金(キャッシュ)として保有しているわけではないので還元しろと言われても簡単にできません。

 

また企業が銀行から融資を受ける際には、内部留保の厚みが重視されます。バブル崩壊の余韻を引きずりデフレから抜け出せない今の不況下において、

 

手元資金の枯渇や財務悪化による経営破綻(はたん)を恐れる企業が増えており、内部留保を何らかの形で、雇用維持の財源に充てる流れは恐らくないでしょう。

 

ですが今後の日本経済の成長のためには、企業が収益力を高め、その結果賃金の上昇を実現することが不可欠であるのは事実です。

 

とはいっても、企業の競争力を高めるという根本的な解決策に本気で取り組むのではなく、とりあえず、今まで蓄えていた内部留保を取り崩しに行くことは、企業の将来の投資資金を減退させ、強いては企業の競争力を失わせるリスクを高めることに繋がりかねません。

 

つまり賃金の上昇をどのように実現していくかは重要な課題ですが、それは内部留保を取り崩して、即解決するというような簡単な問題ではありません。

 

ですが、大企業が獲得した利益をため込んでいるというのも完全な間違いではありません。実際に某大手企業は4年間で合計2兆円近くの赤字を計上しましたが、債務超過に陥っていませんし、

 

利益を還元せず内部に蓄えていることはれっきとした事実であり従業員に賃金という形で還元すべきです。ただそれは正確にいうと、内部留保ではなく現金(当座預金)です。

 

 

・まとめ

 

内部留保とは「企業の利益の余り」で、決算書には利益剰余金などの勘定科目で「純資産の部」に計上されている。

 

内部留保とは株主の資産であり、従業員に還元できない。内部留保とは企業の保険であり、これを取り崩すのは企業の競争力の低下を招きかねない。

 

だが企業が利益をため込んでいるにも事実であり、正確にいうとそれは内部留保ではなく現金(当座預金)にあたる。

 

 

www.dmjtmj-stock.com

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追記:これらの本は私が勉強する上で、とても参考になったので紹介しておきます。もしよければ読んでみてください。

 

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