皆さん、こんにちはBaki(@dmjtmjtk)です。今回は2020年7月に施行された暗号通貨の法規制とそれに関連したビットコインとテザーの暴落の可能性とかを書いていこうと思います。
前回の記事
→【仮想通貨】テザー(USDT)問題とビットコイン暴落のリスク
→日本の有名ビットコイナーが教えてくれないライトニングネットワークの嘘と真実
暗号通貨にFATFのトラベル・ルールが導入される
2020年6月からFATFの施行が始まり仮想通貨の名称が「暗号通貨」へと変わました。まあ名称の変更はそこまで重要ではないのですが、これによってビットコインを始めとする仮想通貨が金融商品として金商法の対象になりました。
これによって何が変わるのかというと特定のコイン(XRPなど)に対して虚偽の情報を流して相場価格に影響を与える行為が風説の流布となるなど、仮想通貨の扱いが株式とほぼ同等になりました。そして、これに合わせてビットフライヤーなどもCMを開始するなど仮想通貨業界にも新しい動きがみられました。
ですが、仮想通貨が株式と同等の金融商品になったことにより仮想通貨取引所やウォレット業者はこれまで以上の厳密な規制遵守を迫られることになります。先日BCH専用ウォレットの「yemen」が廃業したような感じで零細のウォレット業者や取引所はまた淘汰されるでしょう。
ステーブルコインの台頭
このように着々と仮想通貨の法整備が整うなかで、ドルと同じ価値を持つUSDT(テザー)などのステーブルコインが連日凄まじい勢いで発行されており、その流動性は新興国の通貨の匹敵する規模になっています。
参照:https://r.nikkei.com/article/DGXMZO63782550S0A910C2MM8000?disablepcview
テザーとは発行量と同等の米ドルを持つとされているコインで、理論上「1ドルをテザー社に渡すと、1USDTが発行される、反対に1USDTを送れば1ドル返してくれる」ことになっています。(なので値上がりとかを狙うものではないです)
かつては仮想通貨市場における取引の中心はビットコイン(BTC)だったのですが、ビットコインは価格が大きく変動しますし、送金が多くなると取引詰まりを起こします。そんな中でイーサリアムやトロンなど、様々なチェーン上でステーブルコインが発行され、テザーを始めとするステーブルコインは価値が安定した暗号資産で決済に使いやすいため、近年はビットコインからステーブルコインが仮想通貨決済や送金の主役になっています。
テザーの担保問題
テザーは非常に便利ですがその担保については長年疑惑の目が向けられています。というのもステーブルコインの代表であるテザー(USDT)を発行しているテザー社には、長年ドルなどの法定通貨の担保なくテザー発行しているのではないかという疑惑があります。
参照:速報 NY司法当局、テザー社の財務記録提出を求める申請書を提出
ビットコイン(BTC)はここ数年で凄まじい価格高騰を見せましたが、その高騰はテザー社(USDT)がテザーを担保なしに発行して、傘下の取引所であるビットフィネクスでビットコインを大量購入して仕手上げ(PUMP)したためだと言われています。
法定通貨による担保なしでドルと等価値のコインを発行しているということは、一企業が政府や銀行に無断でドル紙幣を擦っているということを意味します。
こんなことを米政府や中央銀行が認めるわけでもなく、ステーブルコインは国や中央銀行が管理できず、マネーロンダリングなどの犯罪の温床になっているとして、先日独仏など欧州の主要5カ国は暗号資産に厳しい規制を求める声明文を出し、厳しい法や規制が整うまでEU内での発行を認めないとしました。
かつてフェイスブックが発行を目指した「リブラ」もステーブルコインの一種ですが、リブラは各国政府や中央銀行の圧力によって潰されました。 同じようにテザーなどの無国籍通貨も明白に標的されたのでいずれ潰されるのは時間の問題だと思います。
そうなると現在1ドル近くで推移しているテザーの価値、そしてそれによって支えられてきたビットコイン、そしてそれに連動するアルトコインは無傷では済まないでしょう。
終わり ~デジタルコインの未来
銀行がデジタル通貨発行にかなりの意欲を指名していますし、テザーなどのステーブルコインはいずれ政府の中央銀行が規制下のもとで発行するCDBC(デジタルコイン)の取って代わるかなと思います。
ビットコインは現在通貨価値が不安定な新興国などで価値の保存手段、つまりデジタルゴールドとしての需要によって価格が支えられていますが、こういったデジタル通貨が台頭してくれば、ビットコインのそうした面での需要は今後薄くなってくると思います。
現状規制に合わせた歩みを見せているのはXRPだけでここは中央銀行がデジタル通貨を発行してもそのブリッジ役としてより存在感が高まる可能性が高いと睨んでいます。
じゃあ法定通貨のデジタルコインで全てが解決するのかというと、法定通貨もリーマンショックやコロナショックによって今までにない規模の金融緩和が行われており、その価値は日々希釈されており、そのインフレヘッジとしてビットコインなどの発行枚数が限られていて流動性のあるデジタルアセットには存在価値が生まれる可能性はあります。
そして、単なるトークンのやり取りで価値のやり取りができるというレベルの話からスマートコントラクトを用いたクラウドコンピューター云々の部分も今後規制やらが絡んでくると思います。その辺りの話は別の記事で書こうと思います。では~
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