株式市場で株を購入するにあたって、その企業はどれくらいの価値があるのかというのを把握するのはとても難しいことですが、とても大切なことでもあります。企業価値の算定方法には理論株価などがありますが、今回は企業価値(事業価値)と時価総額に、焦点を当てていきたいと思います。
・時価総額とは?
時価総額は「自己資本価値」とも呼ばれ、基本的に「発行済み株式数×株価」で決定され、理論上ではありますが、その時価総額でその会社を丸々買収できるということも意味しています。時価総額は「株価×発行済み株式数」なので、株価の変動によって常に変化します。
・企業価値の重要性
長引くデフレ経済やグローバル競争の激化、銀行体力の低下、グローバルスタンダードで投資を行う株主の出現などの影響により、自社の競争力を高めるために、不採算部門の売却やコア事業の強化等が多くの企業にとって必要になっており、大手だけでなく、中小企業にとっても、生き残りのために、事業の集中と選択やM&A等の施策が重要になってきていると考えられます。
このため、経営者やCFOが、M&Aや事業の集中と選択の際の判断の定量的な基準となる企業価値、事業価値の考え方・算定手法・プロセスを知る重要性が増しています。そのため近年において「企業価値」への関心はますます高まっています。
・企業価値と事業価値
企業価値とは、企業に対するステークホルダー(株主、債権者等)に対する価値であり、「企業の現在から将来における収益力」を意味します。
「企業価値」とは、企業の本業が、どれだけのキャッシュフロー(現金)を生み出すかという点に注目した考え方です。
つまり、企業価値とは「本業が生み出す将来キャッシュフローを現在価値に割り引いた総額」を意味します。
次に事業価値とは、「企業の事業が将来生み出すキャッシュフローの現在価値に割り引いたもの」です。
事業価値と企業価値と同じようなものですが、詳しい定義になると少し違ってきます。財務理論的には、事業部分の価値が事業価値であり、そこに投融資部分の価値を加算したものが企業価値であると定義されます。
・企業価値の定義
企業価値は下のように定義されています。
企業価値=自己資本価値(株価×発行済株式総数)+ 負債の価値(有利子負債の純残高)
したがって、負債の価値が大きく下落してしまうことがない限り、「株価の最大化」を追求することが企業価値の最大化につながります。
そして、企業価値の最大化するために企業をどのように経営すれば、いいのかを研究する学問がコーポレートファイナンス理論です。
追記:企業価値についてはコチラの企業価値の神秘という本がとても分かりやすかったので紹介しておきます。
コメント