投資成績のベンチマーク(運用成績を測定し評価するための基準)としてTOPIXを始めとする時価総額加重の株式指数が用いられていますが、基本的な株式指数の役割は投資成績の測定だけではなく株式市場の動きをとらえるという事にあります。
運用ベンチマークとしてはTOPIXが用いられますが、株式市場の動きを把握するには日経平均が使われます。
なぜかというと、まず日経平均は1950年から始まり歴史が長く、私たちに馴染みのある指数であるのに対してTOPIXは算出開始日が1969年と日経平均と比べて少し新しい指標であるという点です。
もう一つは分かりやすさが挙げられます。というと日経平均は、理論上225銘柄の株価の平均を割って算出されます。(最初の除数はもちろん225ですが、増資や新規上場に対応するために、除数を修正していった結果現在では25になっています。)それと単位が「円」であるという点です。
一方、TOPIXは時価総額の推移を表したもので基準日の値を100に置き換えて算出しており、単位は「ポイント」というあまり馴染みのないが使われています。
これまでは日経平均が、なぜ投資家が株式相場の変動を把握するために、使われる理由を説明してきました。
次は日経平均の対象銘柄の銘柄入れ替えにつういてみていきます。日経平均株価は継続性の維持という観点から、対象銘柄の入れ替えは極力最小限に抑えられてきました。
しかし単純に構成銘柄を入れ替えないのは、産業構造の変化をとらえられない可能性も生み出します。そのため2000年に市場流動性とセクター間のバランスにより、銘柄の見直し行うことを発表しました。
その結果、合併や上場廃止などの銘柄数の変更に対応する「臨時入れ替え」と毎年10月に銘柄を入れ替える「定期見直し」が行われています。
とくに10月に銘柄を入れ替える「定期見直し」に関しては、投資家にとって儲けるチャンスとして大きな注目を集めています。
なぜかというと、日経平均連動型投信などが日経平均に合わせるために、銘柄入れ替えのタイミング(9月末の大引け時点)で除却銘柄を売却すると同時に新規採用銘柄を購入するからです。
つまり、新規採用銘柄と除却銘柄を先読みして、購入したり空売りして収益を上げようとする動きが活発になります。銘柄入れ替えのアナウンスは事前告知されませんが、9月初頭に発表されるのが一般的です。
この新規採用銘柄と除却銘柄には、一般的に↓のような傾向があると言われています。
発表日から入れ替え実施前日までは新規採用銘柄(除却銘柄)は上昇(下落)しやすい
実施日以降は新規採用銘柄(除却銘柄)は下落(上昇)する
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