アベノミクスが失敗してしまった原因を考察する

以前からアベノミクスは成功か失敗か世間では議論されてきましたが、自分自身以前まではアベノミクスが成功なのか失敗なのかはまだわからないという考えだったのですが、ここ最近の経済指標などを見てアベノミクスは失敗したと、はっきり確信しました。なので、今日はアベノミクスの歴史と失敗してしまった原因などまとめていきたいなと思います。

アベノミクスの最初

アベノミクスは皆さんもご存知のように2011年に安倍総裁率いる自民党が民主党に勝利して第一党に返り咲いたところから始まった、かつてのアメリカのレーガン大統領が行った経済政策であるレーガノミクスを文字った大規模な金融緩和による経済活性化政策です。

アベノミクスは具体的には3本の矢と呼ばれた景気刺激策で構成されており、これらの経済政策によって景気を活性化させ、デフレスパイラルから脱却しインフレの流れを作り、平均所得や消費者物価指数を上げていこうという体の経済政策でした。

実際に就任当初の安倍首相は↓ようなことを言っていました。

ですが、そこから6年近く経ったものの、株価自体は日銀がETFを購入することで買い支えているためバブル時の価格帯ですが、エンゲル係数・ジニ係数や平均給与所得・消費者物価指数などなど様々な経済指標がボロボロですし、御用学者でもない限り客観的に見て、「アベノミクスは失敗である」としか言いようがありません。

引用:https://dmjtmj-stock.com/entry/2017/05/11/225425

中でも個人的に危険だと思うのが。景気刺激策の1つである異次元金融緩和によって日本の金融市場が機能不全になっている点です。というのも長期国債市場は異次元金融緩和政策によりマイナス金利が続きすぎたため、だれも買い手が現れず、日銀が一人で国債を発行→購入を行っている自己ファイナンス状態になっている点です。これは後でも書きますが、急激な円安、つまりハイパーインフレにつながる危険があります。

そして、日銀のETFの買い入れによる株価介入についても出口戦略は金融緩和によって景気が活性化するだろうという前提で建てられていたものなので、景気活性化が成功しているとは到底言えない現在の状態では機能せず、ただ金融緩和を継続するしかないという泥沼状態に陥っています。実際黒田総裁はこの金融緩和の出口戦略について有識者やメディアから何度も質問されていますが、未だに答えをはぐらかしたままです。

これはまさに、負けると分かってながら負けを認められず、原爆という致命的打撃を受けるまで泥沼の戦争を続けていた太平洋戦争末期の状況そのものですし、アベノミクスは太平洋戦争の再現であると思えます。

アベノミクスは失敗した政策

まずアベノミクスが失敗であるということをエンゲル係数よりも分かりやすい経済指標であると言える平均所得から見ていきますと、アベノミクスが始まって7年目である2018年現在の日本の平均年収は20年前に比べて世帯年収の中央値122万円も下がっています。

そしてアベノミクスが始まった2011年から見ても会社員の手取りはどの所得帯を見ても低下していますし、世帯年収で見た場合でも低下しています。

これで戦後2番目の長さの好景気って言われても、実際は低所得層がガッツリ増えてるんですから、格差拡大がますます酷くなっていますし、これで景気回復で賃金上がってるとか言われても説得力は皆無です。まさに実態なき経済回復と言えるでしょう。

またアベノミクスになって就職率・有効求人倍率が上がった!みたいな話がありますが、実際にリクルートが試算した求人倍率を見ると、その現実が見えてきます。みればわかるように人のいない中小企業の有効求人倍率が上がっているだけで大企業の有効求人倍率は全然増えていません。中小企業の有効求人倍率にしても少子高齢化で単に人手自体が減っているからにほかならず、別にアベノミクスの成果でもなんでもありません。

結局インフレ目標の2%のずっと未達成で、デフレスパイラルを脱却できていませんし、この20年間日本は全く経済成長しませんでした。巷では失われた20年と言われていますが、このままだと私は失われた30年、いや40年になるのではないかとも思えます。

大前研一 世界の潮流2018〜19 ―日本と世界の経済・政治・産業より引用

よくデフレだと物価が下がるから好都合、経済成長しなくてもいいじゃんという人もいますが、デフレスパイラルを脱却し経済成長しない限り、私たちの生活は豊かになりません。この辺は「キミのお金はどこに消えるのか」というマンガに分かりやすく書かれているので、オススメです。

キミのお金はどこに消えるのかより引用

アベノミクスで潤ったのは誰か?

平均所得も有効求人倍率も上がっているどころか始まってから低下しているにも関わらず、アベノミクスで景気が良くなったと言っている人はそういう層なのでしょうか?

それはアベノミクス前に仕込んだ海外投資家です。日銀資金循環統計でアベノミクス開始以降の海外投資家の日本株値上がり益は100兆円強であり、日本市場の4分の1が外国人投資家の資金なので、20~30兆円もの巨額の富が日本から海外へ流出したということを意味しています。

参照:https://twitter.com/AdamSmith2sei/status/1026302738232004608

つまりアベノミクスはトリクルダウン(上流層の景気が良くなることで下級国民も景気が良くなる)が起こるという前提で建てられたものでしたが、実際にはトリクルダウンは起こらず上級国や投資家は株価上昇などで潤ったものの庶民には何一つ還元されず、日本の所得格差はより拡大する結果になったのです。これを失敗と呼ばずしてなんというのでしょうか?

参照:https://twitter.com/pikaru_1207/status/1036248562042978304

アベノミクスは官製相場をつくり出し、投資をしていた人や一部の富裕層こそ潤っただろうが、庶民生活はいっそう苦しくなりました。政府は食のレジャー化などといったアホみたいな言い訳をしていますが、エンゲル係数・ジニ係数ともにこのままだと、今年は過去30年間で最悪の数値になりかねません。

アベノミクスが失敗した原因

さてここからはアベノミクスが失敗した原因についてですが、原因は色々ありますが、一番大きな理由は消費税率引き上げ非正規雇用の2つにあると私は感じています。

「政府の借金が全然減っていないので、アベノミクスは失敗した」のではなく「アベノミクスは財政赤字を十分に増やさなかった点がダメ過ぎ」の方が正しいと思います。財務省の圧力があったとはいえ増税は大きな悪手でした。結局財政出動したところで税金の額を増やしているのですからぜんぜん景気刺激になりません。

そもそもアベノミクス関係なく、日本国民の可処分所得は社会保障費の増大によりここ20年間減り続けています。いくら金融緩和してもそもそも手取りのほとんどが税金に消えるようなシステムでは到底景気活性化など夢のまた夢でしょう。

そして、社会保障費が増加しているのは少子高齢化が原因ですし、だれが悪いのかといういえば20年近く少子高齢化をほったらかしにしてきた自民党が悪いと言えます。だからアベノミクスがー安倍首相がーと責めてもしょうがないと思うんですよね。だれが悪いかと言えば昔の政治家です。

アベノミクスが失敗した原因は少子高齢化による社会保障費の増大による増税の他にもトリクルダウンが起きなかったところにもありますが、それは個人的にトリクルダウンが起こらなかった理由は非正規雇用者数の増加にあるのではないか?と考えています。

というのも従来のように企業が社員の大半を正社員として雇用すれば、金融緩和によって企業の景気がよくなれば、社員の給与所得もあがり、彼らの消費が活性化することで経済に好循環が生まれますが、小泉政権のもとで制定された派遣法により、日本は正社員が企業を支えるのではなく、少数の正社員と多数の非正規雇用のよって維持し、非正規雇用の人々を搾取する産業構造になってしまいました。

このためアベノミクスで企業の業績がいくら良くなっても非正規雇用の給与にはほとんど反映されず、結果的に上級層だけがより肥え太りますます格差が拡大してしまったのです。しかも企業は非正規雇用の拡大によって人材を育てるのではなく、非正規雇用として使いつぶして搾取する産業構造にしてしまったため、時価総額ランキングを見ても分かるように企業の国際競争力はこの20年間で大きく衰退しました。

IT分野での遅れなど理由は様々ありますが、これら根本の問題はバブルの不況を乗り越えるために非正規雇用を拡大し即戦力を求め続けた結果、どの企業も人材を育成しなくなった点にあると思います。

その結果、日本の経済はここ20年間世界と相対的に見て衰退し続け、貧しいものはより貧しくなり、上級国民はより肥え太るというまさにマルサスの過少消費説を体現したかのような状態になっています。

日本の人材派遣会社数は世界1位であり、2位アメリカの5倍という狂った現状であり、人口比で考えれば10倍以上でどう見てもおかしいと言わざるを得ません。ちなみに、その先導役が派遣会社パソナで会長は小泉政権のブレインだった竹中平蔵氏です。これが何を意味しているのかはもはや言うまでもないでしょう。

この非正規雇用の拡大とバブル崩壊によって氷河期世代を正社員として育てなかったために今の日本の経済を支えるはずの20~40代の主力層はスカスカになってしまっており、そこに加えて少子高齢化のためのそもそもの働く人数も減っているため、日本が国際競争において負けるのは必然だと言えます。

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恐ろしいアベノミクスの副作用

そしてアベノミクスは単に経済政策として失敗に終わっただけならまだいいのですが、その副作用は恐ろしいものになると自分は感じています。というのも。アベノミクスが始まって以降円のマネタリーベース(通貨供給量)は増加し続けています。このグラフをみて恐ろしくなりませんか?

安倍政権以前の円の発行量(マネタリーベース)は約100兆円くらいで、それがアベノミクス以降増え続けて、今では500兆円以上発行されてます。当たり前ですが、円が増えるということは単純にいうと円の価値が下がるということです。なので、円の価値が安くなる=円安になっているので、私たちの貯金は数字自体は変わりませんが、世界的に見た相対的価値はドンドン目減りしているのです

日銀はこの発行した円で、政府が発行する国債を買って国の借金を増やしつつ、株を大量に買って株価を維持しています。簡単にいうとお金が全然ないのに、お金を刷って生活をし、体裁を整えているのです。でもそんなことがいつまでも続くはずがありません。

こんなことはいつまでも続けられないのに、続ける手段として政府と日銀は物価上昇2%という極めて難易度の高い(というか不可能に近い)目標を掲げ、その目標を何度も延期して、その間にも円を刷り続けています。その先にいったい出口はあるんでしょうか?

100兆円程度だった円の量が500兆円に増えて、それで国債を買って、株を買って、残りは日銀の口座にあります。単純にその円が市場に放出されたら円の価値は1/5になります。異次元というだけあってその出口は政府も日銀も誰も分かっていません。

異次元緩和は実質、財政法第5条に禁止されている財政ファイナンスではないですか?と国会で藤巻議員が質問していますが、麻生大臣は「デフレ脱却のためだからそうではない」と答弁されています。ですがそれ詭弁にすぎないと思っています。

日銀の財政ファイナンスとFRB・ECBのそれとは規模が段違いです。FRB・ECB はせいぜい 25%~30%であるのに対して日銀はGDPの100%まで資産規模を膨らませています。お金のばらまき=政府の資金繰りへの補填が尋常なレベルではありません。しかも景気刺激効果が出ていないので量をさらに増やそうとしています。増やさないと政府が資金繰り倒産するからです。

日銀の長期金利固定は限界が来る

加えて現在黒田総裁が行っている異次元金融政策の要ともいえる日銀の長期金利上限維持政策も近々失敗するでしょう。ちなみに長期金利が上昇した場合、現在日銀は異次元金融緩和により国債を大量に買い入れしているため、資産の大半が日本国債であり、ハイパーインフレでも起こさない限り債務超過になり倒産します。

つまり現在の均衡は長期国債金利が上昇すれば崩壊する訳であり、そうならないように日銀は必死に長期金利を抑えています。ですが、過去を振り返ると政府銀行が短期国債金利はコントロールできても長期金利はコントロールできないということが証明されています。

歴史を遡ると第二次世界対戦をやっていたころのアメリカに現在の日本と似た様な状況があり、この時にFRBは長期金利のコントロールに失敗しています。この時アメリカは1929年の世界恐慌から始まった大不況を脱却するためにFRBが大幅な金融緩和を始めました。↓の図を見ればわかるようにこれを受けて、アメリカ国際の長期金利(オレンジの線)は1938年から3年間0%近辺で推移しています。

そして、この不況対策に加え、1941年に第二次世界大戦(太平洋戦争)に参戦したため、戦費調達などの都合で米国の国債発行額は大きく膨らみ、それを対応するため1942年から米3ヶ月債金利は1947年半ばまで0.375%の低水準で固定されていました。日銀も今国債の長期金利を上げないように固定していますし、まさに今の日本の状態とそっくりです。

そして1951年に米国の国債金利上限維持政策9年間続いた国債価格支持政策終了を宣言し長期金利は上昇しました。つまり、国が意図的に長期金利を操作するには限界があるのです。恐らく今回の日銀の長期金利の操作もいつかは終わりが来るでしょう。ちなみ現在の日銀の超金利は0.1%程度ですが、ゴールドマンサックスは日銀の介入抜きの日本の長期国債金利は2.1%と推計しています。

結局この何年かの異次元金融緩和がうまくいかなかった原因は、日本の不況がカネの供給不足ではなく需要不足だったことにあると思います。こうなってしまったのも非正規雇用の拡大により日本の企業が新しいビジネスを開拓して利益を上げるよりも非正規雇用労働者をやりがいなどで搾取する産業構造になってしまったことが原因でしょう。人材をやりがいで使い潰せるのに銀行から融資を受けてリスクのある新規ビジネスをわざわざ展開する理由はありません。

そして、銀行はいくら低金利にしても需要自体がなく誰もお金を借りないため、財政はますます苦しくなり、スルガ銀行のように詐欺紛いのビジネスに走るところも出てきてしまいました。

つまり、日本の政策のどこがまずかったのかと言うと小泉時代の非正規雇用の拡大と少子高齢化の放置で、アベノミクスはもう手遅れだったために成功しなかったのだと私は思います。なのでこの不況は安倍首相が退陣しアベノミクスが終わっても変わらないでしょう。

ですが、上述したようにアベノミクスはもう止まることができないのです。やめた瞬間に終わりが来ます。アベノミクスの次の適切な金融政策としては緩やかなに緩和を続けるというものですが、異次元金融緩和によって、利上げという景気調整弁が壊れているためコントロールできるかは怪しいです。

つまり終焉のシナリオが政府の倒産か急激なインフレによる大不況なのかは定かではありませんが、行くところまでいくしかありません。それが訪れるのは今すぐなのか何年後なのかは分かりませんが、ほぼ間違いないでしょう。

では私たち国民は何をして備えればよいのか。ひとつは「円建ての資産」を分散することです。円がもし暴落した場合皆さんの諭吉は最悪紙切れになります。まあそこまではいかないにしろ円の価値が大幅に下がる可能性はあるので、何割かは外貨建ての資産(ドル)に変えておくべきだと思います。

財務省とか日銀の偉い人の本音はここまで借金が巨大になると5~7%のインフレを10年継続して1088兆円の借金を実質半分にしたいのだと思っています。しかし異次元緩和をしてしまった以上一旦インフレになった場合ほどよくインフレをコントロールするブレーキがありません。なので恐らくハイパーインフレになるだろうと予想しています。もちろん起こらないこしたことはありませんがそうなった場合私たち日本の国民は生活は悲惨です。

終わり

アベノミクスで経済が回復してみんな給料が上がって豊かなはずなのに平均年収はどんどん下がり続けています。ですが、これは安倍首相が同行の問題ではなく、非正規雇用や少子高齢化など数年では到底解決できない日本の社会システムの欠陥が原因でしょう。

自分は安倍首相が有能だとは思いませんが、野党はもっと酷いですし、消去法で心中していくしかありません。まあ太平洋戦争の末期の様に誰が首相になったところで敗戦という結末は変わらないという段階に来ていると思います。

ひとつ言えるのは、政府が発表している「アベノミクスで経済は順調」というのを、正しく疑う目を持つことが重要だと強く思います。公文書改ざんや憲法の軽視は民主主義を破壊する行為ですが、経済(アベノミクス)がもし偽りだとしたら、それこそ国民の生活が崩壊します。一刻も早く正しい検証が必要です。安倍政権に任せておくと、いつまでも問題は先送りされます。

ですが、これこそが安倍政権長期化している真の理由だと私は思っています。というのも、この経済政策の失敗のツケである政府の財政破綻orハイパーインフレは時限爆弾です。仮に安倍首相以外が総理に就任しアベノミクスが終了してしまえば、日経平均の暴落か上述したようなハイパーインフレなりが起こる、つまり時限爆弾が破裂してしまい、安倍首相の次の総理の責任になるのです。これがみんな分かっているので誰も貧乏くじを引きたくので、次の首相になりたがらず安倍首相を支持する→安倍首相の長期政権化に繋がっているのはないかと私は考えています。

アベノミクスがいつ終了するのかは分かりませんが、そう遠くない未来でしょう。だからこそ今から日本株を買うのはやめておくべきですし、円以外のにもドルなり仮想通貨なりに自分の資産を分散投資しておいたほうが良いと思います。

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刃牙

株式投資5年目。2017年に仮想通貨に参入し、大幅上昇で一時億り人になるも2018年の一連の騒動で転落中。最近は株式投資と仮想通貨に関連するテーマを記事にしています。
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