プライマリーバランスとは、日本の国家予算の収支バランスのことで、要するに入ってくるお金と、出ていくお金のバランスのことです。
具体的には、基礎的財政収支と言って、国の歳入から国債収入を除いたものと、国の歳出から国債の利払いと国債償還費を除いたものの差額です。つまり、国家の歳入と歳出において、借金関連を除いたときの収支です。
国の歳入は税金による収入です。所得税・法人税・消費税を中心に、たばこ税や相続税など、国税による収入のことです。そして、国の支出というのは、年金の支払い・保険などの社会保障費、地方交付税交付金、加えて公共事業・教育費などがあります。
つまり、国の収入が国の支出を上回れば、プライマリーバランスは黒字で、国の収入が国の支出を下回ればプライマリーバランスは赤字と言えます。基本的にはプライマリーバランスは収入=支出になるのが望ましいと言われています。
そして、現在の日本のプライマリーバランスはというと2015年度においての日本政府の予算を見ていくと税収が約54兆円となっています。一方支出はというと、社会保障費や地方交付税合など合計で約73兆円です。
収支がイコールどころか、とんでもない赤字になっており非常にマズイ状態と言えます。この赤字分を補うために赤字国債が毎年発行されているわけで、その発行額は年々増え続け2016年における政府債務残高は1000兆円を超えました。
もちろんプライマリーバランスの大幅な赤字がこのまま続いていけば、日本もいずれギリシャのように、国債のデフォルト・財政破綻の可能性が現実味を帯びてくるのでプライマリーバランスの改善は最重要課題に挙げられています。
しかしながら、これは非常に難しいといわれています。なぜかというと、政府の支出の中で最も多いのは社会保障費で全体の3割を占めています。次に多いのは国債費と地方交付税交付金で両者を足すと4割に達します。
つまり、年金や医療といった社会保障や借金の返済、地方への補助で全体の7割以上を占めており、これらの支出は容易に減らすことができません。しかも高齢化の進展で社会保障費は最低でも毎年1兆円ずつ増加していき、支出は増える一方です。
一方収入の方は、少子化により所得税を納める労働人口の減少にもあり、消費税などの増税による税収増が急務とされています。ですが消費税など様々な税金の負担額の増加は消費の落ち込み、つまり不景気や支持率の低下につながるため思うように進まないというのが現状です。消費税引き上げによる増税によって基礎的財政収支を黒字にするためには、消費税率を30%近くにまで引き上げる必要があるという研究結果もあります。
まとめ
Q:
プライマリーバランスってなに?
A:
国家の借金を抜いた基本的な収入と支出の割合、均衡が理想で赤字はマズイ
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