日本における株式の取引は大きく分けて「個人投資家、機関投資家、外国人投資家」の三者でおこなわれています。今回はこの主な参加者について見ていきたいと思います。
個人投資家とは、文字通り個人で株式売買を行なう投資家のことです。日本には個人投資家はたくさんいますが、個人が売買する取引額は日本の株式市場の総取引額の割合から見ればほんのわずかです。なので市場に及ぼす影響はほぼないと言えます。
機関投資家とは、企業単位で株取引を行なう投資家のことです。もちろん企業のお金を運用した株投資ですので、取引額は個人投資家のそれとは比べものにはなりません。市場への影響もとても大きいと言えます。
主な機関投資家には、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、大手銀行、証券会社、保険会社、投資信託などがあります。
機関投資家の中でも特に注目なのが、GPIFです。というのも、GPIFの運用資金は約130兆円で、世界最大の年金基金だからです。
東京証券取引所の毎日の取引高は約2兆円ですから、GPIFの運用が市場にもたらす影響力が相当なものであることが思います。
なので、機関投資家の中でもとりわけGPIFのポートフォリオ(運用資産割合)の見直しなどの発表には、常にアンテナを張っておく必要があるでしょう。
日本の株式市場にも外国の年金機構、銀行、証券会社、ヘッジファンドなどが参加しています。外国人投資家はアベノミクス以降、日本市場へ参加する外国人投資家と運用額はかなりの割合を占めています。
個人投資家の影響力は実際あまりないですが、機関投資家と外国人投資家の運用額は相当なものであり、彼らの運用方針に市場は左右されます。
実際に数字で見てみると2016年において日々の売買では、欧米の年金基金や外国人投資家の比率が6割を超え、株式の保有比率も約30%を占めています。そして、外国人投資家の保有比率は年々アップしています。
参照http://diamond.jp/articles/-/81126
その一方で、個人投資家の保有比率は17%まで低下しており、日本株といっても投資の取引の大半は外国人であり、そのため日本の株式市場は、イギリスのEU離脱時のように世界情勢の影響をとても受けやすい市場になっています。
というわけで昨今では、外国人の投資スタンスは、市場に大きな影響を与えるようになっています。なので機関投資家や外国人投資家が日本市場をどう見ているか、関連したニュースを逐一チェックすることが株投資の成功の秘訣の一つであると言えます。
日本の株式市場では、分析指標がいくら割安だろうが、買いシグナルが出ていようが、Oakやモルガンといった大物外資が上を押さえている間は上がってもすぐに大量の売りを浴びせられたりして全然上がりません。
なので大量保有報告書や日々のニュースなどから外資の動きを読み、その動きに合わせたり逃げたりすることは、昨今の株式市場で生き残るためにはファンダメンタル分析と同じくらい大切なスキルとなりつつあると個人的には感じます。
コメント