・債権の基本知識
まず債権の特徴について改めて見ていきます。
債権には下のような3つの特徴があります。
・満期が来れば元本分が償還される。
・確定したクーポン(利率)が支払われる。(ゼロクーポン債もあります)
・市場金利によって価値が変動する。
・基本的な債権用語
まず「額面」とは、債権の単位であり、その債権100円当たりの債権価格の事を「単価」と言います。
基本的に社債などの債権は、額面を95円くらい(100円より少ない金額)で発行し、〇年後に額面100円で償還するのが一般的です。
つまり、「額面」と「単価(債券価格)」は同じではないことが普通です。そして、「債権の金額」とは売買単位の事を指します。
例えば10万円から購入できる社債があったとき、この10万円が「債権の金額」ということになります。10万円の場合、額面100円を1000単位購入したことになります。
一般的に表示される債権価格は、「額面」あたりの価格です。つまり額面100円を価格95円で10万円分購入するならば、支払う金額は9万5000円となります。
・債権の種類
債権の種類には、大きく分けて「利付き債」と「割引債(ゼロクーポン債)」の2種類あります。
参照:(http://www.aizawa.co.jp/basicknowledge/asset/bond/bond02.html)
・債権の価値とは?
コーポレートファイナンスでの「価値」といった場合は、「割引現在価値」または「現在価値」を意味します。
つまり理論的には、将来手に入れることができる「キャッシュフロー」と「割引率」さえわかれば、世の中のどんなものでもその価値を数値で表すことができるといえます。
※割引現在価値:将来獲得できるキャッシュフローを一定の割引率で割り引いて計算したもの。
・債券の利回り計算
「債券利回り」とは、その債券が将来どれくらいの「収益」を生み出すのかを数値化したものです。
つまり「利回り」が高い債券は、高い収入を得ることができる債券であり、反対に「利回り」が低い債券は低い収入しか得られないということになります。
そのための「債券利回り」の計算には、「利率」「債権価格」「償還までの残存期間」が分かれば計算することができます。
また実務においては上記に加えて、発行会社の挌付けと額面金額が売買の要素として重要ですが、今回はすべてデフォルトリスクのない信用度の高い安全な債券として計算します。
その場合、債権利回りの計算パターンは以下の二つしかありません。
① 「債券価格」「クーポンレート」「残存期間」の3つの条件が与えられて「利回り」を計算するパターン
② 「クーポンレート」「残存期間」「利回り」の3つの条件が与えられて「債券価格」を計算するパターン
上記2つのパターンが「利付債」と「割引債」の2種類ずつあり、合計2×2=4パターンに分かれるだけです。
次は実際に債券価格を計算していきます。
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