効用関数と無差別曲線についてのざっくり解説したところで、次は実際に効用関数の計算問題を解いていきます。効用関数の計算問題で王道パターンなのが今日紹介する最適消費点における財の消費量を求める問題です。
最適消費とは、簡単に説明すると「買い物上手」、すなわち自分の予算の範囲内でこれ以上望めないくらいお得な買い物をすることと言えます。
最適消費を図で表すと直線で表される予算制約線が曲線の効用関数にちょうど接する点、つまり接点となります。つまり、最適消費点では、予算制約線と無差別曲線(の接線)の傾きが等しくなります。
参照(http://book.geocities.jp/nantohenjin/lecture.html)
例題と回答
<例題>ある個人の効用関数がU=xyで表され、その個人の予算が1000円、財xの価格が50円、財yの価格が100円であるとき、その個人の効用を最大化する財xと財yの消費量を求めよ。
はい、もうテンプレのような数値設定ですね。「効用を最大化する」というところで「最適消費点」を求める問題だとわかります。
<解答>
まずこの個人の予算制約線を求めます。予算制約線は、問題文から
1000=50x+100y
となり、これを変形すると
y=-1/2x+20・・・①
となり、予算制約線の傾きはー1/2・・・②と分かります。
そして次に無差別曲線を見ていきます。
無差別曲線:U=xy を変形すると
y=U/x
となります。そして、これは下のように表すことが出来ます。
y=U x^-1
これを微分すると
y=ーUx^-2
となります。
(ここで注意しなければならないのは、Uはここでは代入せずそのままで、Uにxyを代入するのは微分した後という点です。)
というわけで、U=xyを改めて代入すると
y=-xy/x^2 →ーy/x
よって無差別曲線の傾きは、ーy/x ・・・③と分かります。
そして、上でも述べたように最適消費点では、予算制約線と無差別曲線の傾きが等しくなります。なので最適消費点では、②=③ということになるので
ー1/2=-y/x
つまり
x=2y
となります。
これを①にあてはめると(x,y)=(10,5) となります。
まとめ
与えられた効用関数(無差別曲線)と予算制約線から最適な財の消費量の組合せを求める「最適消費」の計算は、公務員試験や経済学部において頻出問題です。
最適消費の問題を解けるようになるためには、まず無差別曲線や予算制約線などの概念をしっかり理解しておくことが大切だと思います。
後、今回は例題なので数字がきれいですが、試験などで出てくるものは指数が分数だったりで、計算ミスしやすくなるので問題集などで意識して練習しておきましょう。
無差別曲線や予算制約線の意味がよくわからんという人は「絵でわかるミクロ経済学 (KS絵でわかるシリーズ)」という本が分かりやすかったのでオススメです。
追記:私が経済学の計算問題を勉強する上でこちらの「試験対応 らくらくミクロ・マクロ経済学入門(計算問題編)」という問題集が分かりやすかったので、紹介しておきます。
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コメント
こんばんは
y=-1/2x+20・・・①
は
y=-1/2x+10
の間違いですね