「需要」と「供給」
今回は経済学において基本的な概念である「需要」と「供給」について見ていきます。
まず世間のあらゆる市場には、この「需要」と「供給」という概念が100%存在しています。
なぜかというと、モノ・サービスの「供給」は誰かの「需要」があるからこそ、生まれるものであり、誰も必要としていなければ「需要」はなく、「供給」は起きないからです。
需要(Demand)
経済学における需要とは「消費者が買いたいと思い、なおかつ買うことができる量」を意味します。
そして、消費者の需要と価格の関係を曲線で表したものが下の需要曲線と呼ばれるものです。
供給(Supply)
経済学における供給の概念とは「売り手(企業)が売りたいと思い、かつ売ることが出来る量のこと」を意味します。
そして、供給量と価格の関係を表す曲線を供給曲線と言います。
需要曲線と供給曲線
経済学ではここの需要曲線と供給曲線を重ねてみていきます。それが下の図です。qは需要曲線(quantity)、sは供給曲線(Supply)を表しています。
上の図の需要曲線と供給曲線の交点においては需要と供給が等しい状態にあり、これを経済学では均衡といいます。
そして、この時の価格を均衡価格といい、このときの取引量を均衡取引量と言います。 ですが、現実にはこのようにぴったりと需要と供給が一致することはまずありません。
この需要と供給は、市場が完全競争であると仮定した上において成り立っており、完全市場では下のような前提が成立しています。
① どの企業も、全く同じ財を生産している。
② 同じ財を生産している企業がたくさん存在している。
③ ある企業が供給量を変更しても、市場の財の価格は変化しない(プライス・テイカー(Price Taker))
超過供給
もし今市場価格が均衡価格よりも高かったとします。
このとき、売り手は多く売りたいと思い、買い手はあまり買いたくないと思います。そうすると、需要量よりも供給量のほうが多くなってしまいます。
この状態を超過供給といいます。
:超過供給の図
価格や量以外の要素が変化したときは、需要曲線や供給曲線は移動する
上の図ように超過供給が生じているときは価格下落の圧力が働き、価格が下落します。したがって、超過供給が生じているとき、価格は下落して均衡点に向かいます。
超過需要
次にさきほどの均衡の図において、価格が均衡価格よりも低かったとします。
すると、このとき売り手はあまり売りたくないけども、買い手は多く買いたいと思います。
そうすると、供給量よりも需要量のほうが多くなってしまいます。この状態を超過需要といいます。
超過需要が生じているときには、価格の上昇圧力により価格が上昇します。したがって、超過需要が生じているとき、価格は上昇して均衡点に向かいます。
このように市場価格が均衡価格でなく、需要と供給が一致していないときには、均衡価格に向かう圧力がかかり、時間がたてば需要と供給が一致します。
つまり、市場は時間を通して需要と供給を一致させるメカニズム、言い換えれば均衡に向かうメカニズムを持っているのです。このメカニズムを「市場の価格調整メカニズム」といいます。
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