ICOとは?
ICO(イニシャルコインオファーリング)とはIPO(新規株式公開)の仮想通貨版で簡単にいうと、取引所に上場する前に仮想通貨をプレセールで販売するものです。
私たちユーザーは、ICOで購入→取引所に上場してICO価格の数倍になることを期待して購入します。(もちろんICO価格割れのリスクも存在します。)
このICOは企業側にとっては厳正な審査のあるIPO(新規株式公開)よりも簡単に資金調達が行える手段として注目されています。
恐らくこれからICOはどんどん増えていくでしょうし、それに合わせた法整備も行われると思われます。
ICOの基本的な流れ
ICOの基本的な流れは、サイトにアクセスしてメアドとパスワードを設定して参加登録します。そして、指定されたウォレットアドレスにビットコインやイーサリアムを購入したい額の仮想通貨を送金し、その分に見合ったトークンを購入します。これでICOサイト上にトークンの残高が反映されます。
そして、ICO終了後にICOサイトにイーサリアムなりNEMなりのウォレットアドレスを提出し、そこにトークンを送ってもらえばICOは終了です。この場合にはパスポートを提出して本人確認(KYC)することもあります。
ここでもらうトークンは上場前なので、上場でICO価格を上回れば取引所にトークンを送って売れば儲かりますが、もちろん逆のパターンもあり、上場価格がICO価格下回って損するという事にあります。
なので一種のギャンブルです。そういった要素からICOに参加することがブームになっています。そしてそういったICOの盛り上がりに付け込んだ詐欺師も近年多く表れ始めています。
SCAM(スキャム)に注意!
SNSで見かける単語の1つにSCAM(スキャム)という言葉があります。これは和訳すると詐欺という意味で、プロジェクトに実態がなさそうな仮想通貨などはよくスキャムだと言われます。
そして同じように実態のないICOも多々存在しており、俗に言われるスキャム(詐欺)ICOがICOの99%を占めており、まともかつ成功するICOは1%もないと言われています。
ICOに参加する人はまずこの大前提を抑えてください。なので、ICOに突っ込む金額が基本的に0になってもいい金額に抑えておくべきだと思います。
最近だと芸能人のGACKTさんが宣伝していたスピンドルという仮想通貨のICOは公募価格220円から上場で4円という98%下落を達成しました。なので有名人が勧めているから、信用できる〇〇さんが勧めているからという安直な理由で購入するのはやめて起きたほうが良いと思われます。
2016年や2017年のICOは確かになんでも買えば、ICO価格の数倍のなりましたが、2018年においてICOバブルは既に崩壊しているので、別にICOで買わなくてもどこかに取引所に上場してから買えばいいと思います。
スキャムICOの見分け方
ICOにも何パターンかあって、始めは頑張るつもりでもプロジェクトはうまくいかなくて失敗するパターンや最初から集金目的の詐欺だというパターンもあります。そんな中からICOして本当に成功するのは1%だと言われています。
怪しい仮想通貨プロジェクトでよくある触れ込みと特徴としては以下のようなものが多いです。
・「マスターノードで報酬が得られる」
・「ビットコインより送金が早く高性能」
・「発行分は将来的にburnされる」
・「各界のエキスパートが支援(顔写真ズラズラ)」
・公式サイトにgithubもホワイトペーパーも掲載されてない
この辺はほぼ間違いなくスキャム(詐欺)です。
スキャムICOの例
スキャムICO?なにそれという方もいると思うので、実際にあったICOでの詐欺の例を紹介したいと思います。
・勧誘型
ACDコイン、勧誘やばいな。「100倍は即です」w これどのくらい紹介者へバックあるんだろ?販売金額のうち10%+MLMとかかな。 pic.twitter.com/KEsPS0B9tI
— ikehaya | Blockchain (@IHayato) 2018年2月19日
まずこういうSNSなどで100倍になると謳い、上場していない仮想通貨をセミナーなどにきたユーザーに販売する手法です。こういうのを売りつけられる可能性があるので、SNSで勧誘しているDMやLINE@には参加しないほうがいいです。
・ICO型
$LOL 超大暴落でほぼ無価値に。衝撃。15000枚持ってたんですけどね。一瞬で購入価格の数十分の1になりましたw 運営が逃げたみたい。運営が大量に成り行き売りして逃げたのでしょう。終了!!銘柄選択は運営の本当の意図を見抜くのが一番大事かも!マジで誠実か、完全にだますつもりか。 pic.twitter.com/Bn52TzAQys
— にゃんたろ CryptoMooner (@NyantaAltMooner) 2018年2月20日
ICO型はネットにWebサイトを作り、そこで資金を集めるという普通のICOとは変わらない感じですが、資金を集めて上場した後に開発者が自分の手持ちのICOコインを一気に売り浴びせるなどしてきます。
もちろんイーサリアムのようにICOで資金を調達してからも真面目に開発を続けているプロジェクトも多く存在しますが、ICOの中にはこういった最初からプロジェクトを進める気など微塵もなく資金を集めるためだけに行われるICOもあるので注意してください。
また上場で煽っているコインも注意です。海外の仮想通貨取引所への上場は取引所の運営にお金を積めばできるので、適当にコインを作ってとりあえず取引所に上場して〇〇に上場しましたー!!と煽るコインも少なくありません。
ノアみたいなやつも何でもコインを金を積めば上場してくれる取引所に上場させちゃえばいいだけだよね
詐欺”だった”ものでも、コイン自体は簡単に発行できるから、あとはプロダクトは某有名取引所みたいに誤魔化して終わらせればいい
— くりぱか (@Creeperker) 2018年3月15日
別に上場先が増えたところで、本質的価値が上昇したわけではないので、煽りに乗らず冷静になりましょう。他にもスキャムではないけどもプロジェクト自体が単純にとん挫する可能性もあります。これらのルートにならずプロジェクトを立ち上げてICOで資金を集めて、プロジェクトが成功しコインの価値が数百倍になるのはやはり1%くらいでしょう。
ICOへの投資判断方法
ICOに参加するうえで考えたいポイントとしては
①本当に実現可能か
②現実問題を解決できるか
③プロジェクトが解決しようとしている問題に対してブロックチェーン技術/仮想通貨を使う必要があるのか?
④対象としている市場の大きさはどうか
⑤他の競合があるか
⑥競合が出てきても負けないだろう強みがあるか
などです。
あとはICOのメンバーやアドバイザーを見るのも大切です。アドバイザーが業界で有名な人物だったりする場合は安心ができます。例えば、僕がIXT推す理由は過去に保険ブローカーだったインゲマー氏やアメリカで有名なクリスティナー氏がプロジェクトを進めているからです。
他にも、ICO時の人気はありすぎても集める額デカイと上場後価格の期待値低いし、人気ないとそもそも期待出来ないし匙加減が難しいです。結局のところプロジェクトに関わってる人間の過去を調べまくるのが定石だと言えます。
ICOメンバーに情報商材を売りつけているメンバーなどがいればほぼ100%スキャムです。また、タレントなどが宣伝している場合でも、そのタレントはおカネを貰ったから宣伝しているだけで、なんの信用の向上にもなっていないので、注意したほうがいいと思われます。現にGACKTやメイウェザーが宣伝していたICOは暴落してほぼ無価値になっています。
あと基本的に50%以上のボーナスが付与される案件は、スキャムだろうとそうでなかろうと、ICO後にdumpされる可能性が高いので、ボーナスは低めの案件の方が固いです。
ですが、ボーナスが高いのは集客のためでもあるので、ボーナス自体はスキャムICOではない限り別に悪いものではないですし長期保有目的なら別に気にするものではないと思います。
あとは有名な企業とパートナーシップがあるかも重要です。有名会社との提携はビジネスとして成り立つと認められた証拠なのでスキャムの可能性も低くなりますし、もっていれば価格が上がる可能性が高いです。
そして基本的には上場後もトークンを保有しておきたい!と思えるトークンを購入しましょう。POSやマスターノードシステムがあったりするとステーキングやノード報酬目当てに必要枚数集める人が出てくるので価格が上がりやすい傾向にあります。
ですが、ごみをいくら集めたところで仕方ないので、本質的な見方としてはそのプロジェクトが上手くいきそうかを見るべきでしょう。
ICOの注目度や宣伝度はやはりテレグラムかRedditの登録者数である程度判断可能です。Twitterは宣伝度と比例しない感じがします。
テレグラムは千人は少なく、2千くらいでICOを迎える案件もありますし、多いほど宣伝されていると思います。ICO調達額は低ければ低いほど倍数理論で上がった時の利益が大きくなるので、小さいほうが望ましいです。
ICOで何百億円集めることができる銘柄=すごい銘柄、良い銘柄では絶対にありませんし、テレグラムのようにICO時点で調達額が大きすぎると伸びしろがなくなるので旨味がなります。
ICOの情報の集め方
ICO投資への関心が再燃している感じ。案件探すならこのメディアおすすめです。もうここしか見てないw / ICO Drops – Calendar of active and upcoming ICO. Complete list with Token Sales https://t.co/KZraTbA25I
— イケダハヤト@仮想通貨 (@IHayato) 2018年1月12日
ICOはこれからどうなる?
ベンチャー投資の民主化と思われたICOですが、TelegramのICOが100億円単位の大口投資家のみ参加可能となっており、これからは結局VC(ベンチャーキャピタル)などの投資ファンドといった大口投資家向けになりそうな流れになっています。
残念といえば残念ですが、それでも既存のIPOに比べれば非上場企業に対してかなり早い段階に投資することができるようになったので、前進したのは間違いないです。
とは言えわれわれ一般市民はICOで買うことはできず、AirDropやBountyでちまちま稼ぐしかないのでしょう。
2017年は$5.7BのICOの資金調達があったが今年は既に$2Bが集まっている。殆どがPrivate saleで、ICOの形が大きく変わって来ている。Public ICOに対してプライベートでは半額以下で売られる事があり金持ちが更に金持ちになる図式が。一般人がICOに参加するのは養分の時代に。https://t.co/uWHsy4wfG8 pic.twitter.com/LL0MdI9rcA
— 澤亜澄 Sawa Azumi (@SawaAzumi) 2018年2月21日
やはり、資金調達の簡易性と詐欺のリスクは等価なので、こういうかたちで健全化するのはありですね。いずれ「素人を対象にしたICOはセミナーと同じで詐欺が多い」という認識になっていくんじゃないかなと思います。
今後のICOは機関投資家やVCメインになり有望なプロジェクトを個人が参加するのは難しくなると思われます。
終わり
ICOは簡単に言うと手軽なベンチャー投資のようなものです。1つに執着するのではなく、有望そうなのを複数購入して一個当たったらいいなーって感じでやるものだと思います。
ICOに参加するかどうかは自分で決めましょう。仮想通貨・ICOに限らず投資はインフルエンサーなどに頼って行うのではなく、自己責任でしたほうがいいと思います。そのほうが投資で勝てる確率も高くなるでしょう。
「このICOは大丈夫ですか?」とか言われても誰にもわかりません。なんでも聞かないと前に進めない人は、恐らく投資に向いてないので素直にやめるか自分で考える努力をしましょう。
きつく言うと「他人のことばを鵜呑みにする不勉強なアホ」は、ICO投資なんてやっちゃだめです。ICOは上級者向け。素人は上場後に買いましょう。良い案件ならすぐ上場します。未上場のうちに買おうとすると、詐欺にやられます。
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