ナショナリズムの台頭は危険なサイン
最近、YOUは何しに日本へ?など日本のナショナリズムを掻き立てる番組がよくテレビでやっていますが、個人的にはこのナショナリズムの持ち上げる風潮は経済の後退を示すものだと非常に危機感を感じています。
というのも国民性の持ち上げるという行為は、国においてそれ以外にポジる(賛美する)点がなくなったときの最後の切り札だからです。これは過去の第二次世界大戦のドイツや日本などで顕著にみられる歴史的事実です。
あとストロングゼロのような安くて酔えるお酒みたいなのが最近コンビニとかにもめっちゃ置かれていますが、これも僕は日本が衰退しつつある傾向の1つではないかなと思います。
あるお酒が「とにかく安くて強い」という理由で流行り始めるといよいよ一人前の貧困国というか絶望社会という感じがしてくるが、世界史や国際情勢という遠い話として聞いていたその光景をよもや自国で目にする時がくるとは、という感慨もある。
— ジロウ (@jiro6663) 2017年12月7日
どれくらい日本経済は衰退しているのか?
安倍首相が2012年から開始した「アベノミクス」よって就職率の上昇しこの経済政策は成功したと報道していますが、まず就職がいいのは氷河期に正規雇用を行わなかったために人材がスカスカになっているからです。
だから採用しなければ、会社に人がいなくなってしまうので仕方なく取っているだけで景気がいいわけなくアベノミクスは失敗という他ありません。
実際、アベノミクスの3本の矢の一つである異次元金融緩和を行った日銀の黒田総裁は「異次元金融緩和は失敗だった」と認めていますし、目標だった物価上昇率2%も諦めています。
これを数値でみるために、まず各国の国力を示すGDPを見てみます。GDP(国内総生産)は国の中でどれだけの財が生み出されたのかを見る指標であり、経済が活発であるほどモノが売買・消費され金が循環するので、その数値は大きくなります。
高度経済成長期、日本のGDPはアメリカに次ぐ世界2位でしたが、現在日本のGDPは中国に抜かれて世界第3位です。
*1位 アメリカ(17兆9469億ドル)
*2位 中国(10兆8664億ドル)
*3位 日本(4兆1232億ドル)
参照:2015年のGDP (世界銀行発表)http://databank.worldbank.org/data/download/GDP.pdf
あっというまに中国に2.5倍差つけられています・・・一応日本のGDPは1990年代にはアメリカの7割以上、中国の実に8倍以上ありました・・・。日本のGDPが中国に抜かれたのを知っている人にどのくらい抜かれたか聞いてみても、せいぜい数兆円と思っている人は大勢います。2倍以上抜かれているのを正しく答えられる人はほとんどいません。「え、そんなに」と必ず言われます。
つまり恐ろしい速度で他の国に抜かされています。中国の台頭はしょうがないにしてもあまりにも不甲斐なさすぎます。このふがいなさは中国が急成長しているのと日本が急速に衰退しているからでしょう。
核ミサイルだのテロだのと騒いでいますが、世界経済は毎年緩やかに成長しているので、世界規模でみたGDPは基本的に右肩上がりです。その証拠に世界中の株式を集めてインデックス化したVTという投資信託はずっと右肩上がりの上昇を続けています。
ですが、日本のGDPは1990年代初頭のバブル崩壊以降、ほぼ変化していません。つまり日本だけがインフレせずにずっとデフレ状態(デフレスパイラル)にあり、これは異常事態と言えます。
その一方で日本以外の外国のGDPはこの20年間で約20%上昇しており、結果として日本は相対的にめちゃくちゃ衰退しています・・・。
見て分かるように、現在日本のGDPは世界第3位ですが数年前まで下だった中国に悠々と抜かれ、ドイツやフランスあたりのヨーロッパの国々に追いつかれそうなところになっています。これをみても他とまだそこまで大差ないじゃん?と思う方もいるかもしれませんが、労働環境を考えてください。
夏休みに1か月近くバカンスが取れて、サービス残業なんかしなくて、「人生は楽しまなきゃね―」とすぐに遊びにいってしまう人々ばかりのヨーロッパの国々と、週5.6日電車に揺られて毎日残業という劣悪な環境で、働き詰めの労働者ばかりの日本が生み出している財(GDP)が大して変わっていないのです・・・。
ちなみに1995年を100とした2015年の世界主要各国のGDP推移もこんな感じです。これが一番日本のヤバさが分かると思います。
1995年 2015年
中国 100 2001.56
韓国 100 322.14
米国 100 301.71
英国 100 298.35
イタリア 100 199.75
ギリシャ 100 180.65
日本 100 99.31 ←1国だけマイナス成長
このようにGDP自体はまだ3位ですが20年前との伸び率で考えると、日本はこの20年何も変わっていないのです。他の国が成長している中、日本は何も変わっていないどころかGDPが減少しているのは、誇張表現でもなく日本は衰退していると言えるのはではないでしょうか?
また名目GDPの成長率に関しても日本は主要100ヵ国の中で、唯一マイナスであり最下位となっています。(ちなみに日本のすぐ上は内乱中のリビアです。)他にも各国と比較した年収推移でも日本はかなり下に位置しています。
そもそも平均年収自体が、全盛期の450万から350万に100万近く減少しています。この20年間仕事量は増えて休みも減っているのに年収は100万近く減っているってホントアホみたいな話です。他にもエンゲル係数(所得のうちどれだけ食費に回されているかを表す指標)の上昇も貧困化の傾向だとして問題視されています。
そしてこのGDPを視覚イメージで表したものがコチラ↓で、見ていただければ危機感を肌身で感じると思います。
日本の衰退っぷりがひと目でわかるGIFがこれ 冗談抜きでヤバいぞhttps://t.co/aXDuOVW7av
変わったのはアジア域内だけで本当に日本「だけ」がはっきり縮小してる。その他の地域のバランスは域内でも安定というのは面白い発見だ。 pic.twitter.com/Lz2Pvxjg0U
— sakamobi (@sakamobi) 2017年7月2日
ちょっと前の日本だと「貧しい国じゃスマホが月給と同じくらいの国とかあるんだよな可哀想に」なんてことを言っていましたが 今の一番高いiPhoneは税込約18万円。 これ普通にそれ以下の月給の日本人とかゴロゴロいますよね・・・。
なぜ日本は衰退してしまったのか?
日本が衰退した理由は日本人は島国で単一民族であり、多様性がないからです。確かに高度経済成長において日本人の勤勉さは日本を世界一の経済大国に押し上げるのに大きく役に立ったと思います。
しかし、インターネットに始まりIT技術を本格的に普及し、「仕事は量より質の時代」になっているのに日本人はその現実にまだ対応できていません。生物でも同じですが、同じような個体しかいないと環境が変わった場合その変化に種が対応できず、滅びてしまいます。
日本は第2次産業革命には対応し、大きく成長しましたがこれからの変化に対応でおらずこれからのAIやIotの時代に恐らく対応できずこれからさらに衰退するでしょう。そして、今世界はよりIT化が進化し、現金払いからカードやスマホで決済することが当たり前になりつつありますが、日本ではいまだに現金払いが主流です。これだけでも日本はこれからのインダストリー4.0(第4次産業革命)による更なる電子化に既に後れを取っています。
終わり
日本が衰退した原因は一概に言うと理系軽視でしょう。本来人口も少ない国土も狭い資源もない何も国なんですから技術がないと話にならないのに、なぜか技術を軽視してコミュケーション(交渉力ではなく忖度力)重視してしまうところは戦前と何も変わっていませんね。本来IT技術を駆使してエストニアのような国を目指さないといけないのに。。。
他にも、国がヤバくなってきたら社会保障費などの税金を引き上げて若者に真っ先に負担を強いらせるのも老人よりも若者を特攻などで犠牲にしていた太平洋戦争時代の日本の国民性と何にも変わっていません。WW2で犯した過ちをまた犯してしまっており、この無駄な単一性と奴隷根性・若者を大切にしない・技術軽視の風潮は戦前と何ら変わっていません。敗戦から何も学んでいないと言っても過言ではないでしょう。
最近見つけたNetflixにある第二次世界大戦中のアメリカ製作プロパガンダ映画「汝の敵日本を知れ」 という昔の映画なのですが、今とまるで変わっていません。笑いどころ満載ですよこれ。
そして、今の日本は格差ができるくらいならみんなで貧乏になろうとしています。そして、日本国内で格差を是正している間に世界との間で大きく格差が出来てしまっているのです。
日本は今のところテロもなく衣食住の上では確かに安全ですが、その経済はこの先後退していくでしょう。そして、賃金が安いという事はこれから昔の東南アジアのように諸外国から採算の悪い仕事をどんどん外注されるでしょう。
人口減少などの問題も移民を受け入れればこれらの問題も全部解決という人もいるかもしれませんが、残念ながら日本は労働環境が過酷すぎること経済が衰退し始めていることから移民にすら見放され始めています。
日本、「最も働きたくない国・第1位」にhttps://t.co/m8jT3mzomV
東南アジアの若者でさえ「日本はもう僕らが見習う国じゃない」ってはっきり言うもんね。この結果は至極当然。 pic.twitter.com/QdQKFiNASb
— sakamobi (@sakamobi) 2017年12月1日
実際、スマートフォンなどで有名な中国のIT企業のファーウェイが初任給40万円で日本での採用を始めていたりしますし、かつて見下していた中国や東南アジアと立場が真逆になりつつあります。その中でかつてあった「日本、モノ作りすごい」神話は、これからも崩れていくでしょう。なぜかというと技術者に対して正当な報酬が支払われていないからです。
日本からはノーベル賞を受賞するような偉大な研究者が何人も排出されていますが、彼らは皆理系研究を重視するように訴えていましたが、それは全く加味されませんでした。それはなぜかというと日本は文系の利権が強いからです。この技術軽視は戦前にもみられる傾向で最後は資源もなく技術もなく精神論の押し付けに走るのがこの国の傾向です。今のブラック企業と「欲しがりません勝つまでは」にある根本は同じものだと思います。
そして、日本がなぜ衰退してしまったのかというと今の日本の財(GDP)を生み出す効率が非常に悪くなっているからです。これは小学校から高校まで皆に同じカリキュラムをこなさせる日本の均一教育の弊害であると私は考えています。
例えばドイツなどでは10歳頃から適性検査受けて自分の能力把握し、高校ぐらいからホワイトカラーコースとマイスターコースに早々に分かれます。そして、マイスターは高校で職業訓練して、ホワイトカラーの奴らは大学で職業訓練をします。
だから、新卒(一括じゃない)の時点である程度スキルありますし、日本やとFラン大に通うような頭悪い奴はそもそも大学行かず職人になるので生産性が高いという仕組みになっています。
この他にもこれからの時代の潮流になっていくであろう第4次産業革命(インダストリー4.0)の技術を扱うためのIT教育などが全く進んでいないことも危惧しています。これらの根本にあるのは上で述べた理系軽視の風潮です。
何がやばいってロボットがバク転して、AIが囲碁のトッププロ棋士に圧勝し、銀行業界で技術的失業が加速している現状で未だに独身者や子供がいない既婚世帯に罰を与えれば子供が増えて労働力を確保出来るみたいな現在の技術進化から10周位遅れた発想を容易に政策に出来るこの国のトップ達がやばい
— level6 (@levelsystem7) 2017年11月18日
そして日本ではこの第4次産業革命で優位に立つために必要な「投資・起業」やプログラミングに始まるIT産業といった財効率のよいビジネスが全く発展していません。
少し言い方を変えると天才がいないのです。私たちが100人汗水サービス業で働くよりもジョブスがiphoneを発明したことの方が生み出す財は遥かに大きいのです。牛丼には300円しか出せなくてもiphoneのような革命的なアイテムには皆10万円くらいのお金をポンと払います。だからこそ金を稼ぐためには今までになかったものを作らなければいけないのです。
こういうジョブスのような天才こそが日本がこれから経済成長するために必要なのですが、この土壌となる学校でのITや投資などの教育もまだ碌に行われていませんし、金稼ぎ=悪という風潮がまだ消えていません。
今までの日本社会の終身雇用制度は一種の共産主義的システムでしたが、これが今まで成立していたのが異常であっただけで、この世界は資本主義であり優秀な人間に対しては正当な対価を支払わないといけないのです。
優秀な人材づくりに力を注ぐ中国い対して日本は、「非正規と世紀の格差を縮めると言って優秀な人材を叩き潰して、平凡な低賃金長時間単純労働者にしようとしているのです。こんな亡国政策が続くことが不思議でなりません。という訳で。客観的に日本のそういった今の状況と世界との対比する限り、これから数十年間の間日本が先進国から技術的にも経済的にも後れをとっていく流れはほぼ確定的だと思います。
特に最近日本に外国人観光客が増えていますが、これも日本が衰退している1つの形だといえます。というのも彼らが日本に気軽に来れるようになったのは、東南アジアやヨーロッパ諸国から見て相対的に日本の価値が落ちているからです。
昔、日本が高度経済成長期にあった頃、日本経済は他の国々よりも毎年経済が急速に成長し円の価値が上がったため、ハワイやヨーロッパに海外旅行ブームが起きました。
それは日本円の価値が高かったため、海外に行く渡航費が安くなったからです。それと同じことが現在日本を訪れている人たちに言えるのです。彼らが日本に訪れる理由は日本が衰退したことで円の価値が外貨と比較して相対的に低下し、旅費が安くなったからです。
中国のIT企業のHuaweiは、日本支社での新卒の初任給に40万円という現在の日本企業ではありえない破格の待遇をしているのもそれもこれも全部、日本の国力が相対的に低下し円の価値が落ちていることが原因です。
年収800万円や1000万円といえば今の日本人にとっては高所得者に部類される年収ですが、アメリカのシリコンバレーなら初任給が1000万円というところもありますし、年収1000万は世界的にはもう高所得者ではなくなってきているのです。
シンガポールで年収1000万の所得税率は約7.5%。75万円払って終わり。シンガポールは年収1000万のくらいの納税者なんかに何も期待していないという税制だ。正直僕は悔しいよ。この程度のクオリティの国に日本が追い抜かれてるのが。
— Jack Singapore (@Takeaki78) 2017年12月8日
僕は決して左翼ではありませんが、冷静に今の日本の状況を見ると、これから先この国の未来は暗いと思っています。それをみんな心のどこかで分かっているからこそ貯金貯金&貯金で経済は回りませんし、公務員志望者が年々増加しています。
年金だって今の国家財政を考えたら支給開始年齢もこれからどんどん引き上げられ、私たちが生きている間にはもらえないかもしれません。終身雇用制度ももはや崩壊しています。なのでこれからは自分の身は自分で守っていかなければなりません。
スキルを身に着けたり天性の才能を生かすことで、自分にしかできない仕事を見つけ老後に備えて20代の若いうちから投資などで資産形成をしておく必要があると思います。
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