仮想通貨とウォレット
仮想通貨は現時点で購入するだけでもなかなかハードルの高いですが、購入した仮想通貨を自分のウォレットで管理するのも一苦労です。
基本的に100万円以下なら取引所に預けて二段階認証しておけば問題ないですが、それ以上の額を投資するとなると自分のウォレットで管理する必要性が出てきます。
⇨【必読】仮想通貨取引所を使うに当たって絶対やっておくべき3つのこと
ウォレットの仕様は仮想通貨ごとに若干違いますが、共通する概念として公開鍵と秘密鍵というものがあります。今日はその2つについて分かりやすくまとめておきます。
ウォレットとウォレットアドレス
ビットコインを始めとする仮想通貨は購入して、取引所に預けたままにすることもできますが、ゆくゆくは自分のウォレットで管理するのが望ましいです。
ウォレットとはその名の通り『仮想通貨の財布(口座)』です。そしてウォレットアドレスは口座番号のようなものです。
2種類のウォレットアドレス
仮想通貨のウォレットアドレス(口座番号)は、銀行の口座番号とは違い2種類あり、それが『公開鍵』と『秘密鍵』です。
この公開鍵と秘密鍵の2つで1つのウォレットアドレスとなります。そしてこの公開鍵と秘密鍵の2種類があることで、ビットコインをはじめとする仮想通貨はインターネット上などでも安全に送受金を行なうことが可能となります。
公開鍵(パブリックキー)
『公開鍵』はその名の通り個人間で送金する場合などに公開するウォレットアドレス(口座番号)で、相手にコインを送金したい場合は送金先にこの公開鍵を入力すると相手にコインが送金されます。
同じように自分がコインを受け取りたいときは、この公開鍵(パブリックキー)を公開して相手からコインを送ってもらいます。
もし従来の銀行口座だったら口座番号を晒すと中の金を盗まれる危険などがありますが、仮想通貨のウォレットでは公開鍵だけではウォレットの内部のコインを操作することはできないので、公開鍵を自分のブログなどに晒しても全然大丈夫です。
しかも個人間での金(価値)のやり取りにおいて一々ATMに行く必要もなく、スマホやPCから簡単に送受金ができます。
支払いにあたって「振込先」を聞かずに、「ウォレットアドレス」を聞く時代になるわけですな。ウォレットから直接支払いもできるので、ATMで現金をダウンロードする必要もなし。銀行?なんのためにあるんでしたっけ?それ。 https://t.co/IbEsqELSy3
— イケダハヤト@仮想通貨 (@IHayato) 2018年1月13日
しかも銀行を介していないので、従来よりも圧倒的に低い手数料で送金が可能になります。これによって以前よりも容易に個人間で送受金が可能になるためブロックチェーンテクノロジーは世の中の仕組みを変革する可能性があるとして注目されています。
⇨【仮想通貨】ブロックチェーンが作るトークンエコノミーの社会
この個人間での容易な価値のやり取り(価値のインターネット:Internet of Value)を目指しているのがリップルという仮想通貨プロジェクトです。
⇨【仮想通貨】リップル(Ripple)とは?その購入方法と将来性について
そして、どうやって自分がウォレットの所有者であるかを証明するためのものとして秘密鍵が必要になってきます。
秘密鍵(プライベートキー)
公開鍵と対照的に秘密鍵は口座番号というより個人情報・暗証番号に近い性質を持っています。銀行口座の場合、口座を持っているのは誰かという情報が銀行側で管理されています。
このため、仮に通帳やキャッシュカードを紛失しても、銀行に届ければ新しいカードなどを再発行してもらえます。
一方、ビットコインなどの仮想通貨は個人情報を一切入力することなくウォレットを作成することが出来るので、ウォレットと個人情報が全く結び付いていません。
この個人情報・暗証番号の役割を担っているのが秘密鍵であり、これがハッカーなどの悪意をもった第3者に漏れるとアカウントを乗っ取られる危険性があります。
プライベートキーが誰かの手に渡ってしまったら、それはそのウォレットに入っているビットコイン全てをあげたということを意味します。なので、秘密鍵(プライベートキー)は絶対に外部に漏らしては駄目です。(技術的な話は分からなくていいのでこれだけは本当に抑えておいてください)
ここが銀行口座とは違うビットコインの怖い点です。管理者がいないがために自分の口座残高や送金を誰も保証してくれないのです。
ブロックチェーンの時代を恐れてはいけません。まずは秘密鍵、公開鍵の概念に慣れましょう。人に見せるとお金を取られるのが秘密鍵、銀行印です。人に教えると振り込んでもらえるのが公開鍵、銀行の口座番号です。公開鍵は形を少し変えてアドレスという言葉で使われます。
— XEMBook@仮想通貨NEM (@xembook) 2017年11月25日
復元鍵(パスフレーズ)
ウォレットには復元鍵もあるものも存在します。この復元鍵とはウォレットのデータを復元するときに使用するものです。基本的に復元鍵はパスフレーズと呼ばれ、12または24の英単語で構成されることが一般的です。
これも秘密鍵と同じく第三者に漏れるとウォレットの中身をそのまま盗まれる可能性があるので紙などに書いてインターネット上から隔絶された環境に保管しておきましょう。
秘密鍵とパスフレーズの管理
基本的にウォレットの秘密鍵とパスフレーズは紙にプリントなどしてインターネット外部から隔離された環境に保管するのがいいでしょう。
銀行口座ならば、仮に通帳・キャッシュカードと暗証番号・印鑑が外部に漏れてしまっても、あるいは何か悪い事件が起きても、すぐに銀行に届け出れば必要な措置をとってもらえるでしょう。
しかし、ビットコインを始めとする仮想通貨にはそのような監督や管理をする機関が今のところありませんので、プライベートキーの流出はすなわちウォレット内の仮想通貨をすべて失うことを意味します。
以上の理由から、プライベートキー・パスフレーズは絶対に外部に漏らしてはいけません。もし相続に影響が出そうだという額の場合は、相続人には何らかの方法でプライベートキーが分かるようにしておきましょう。
なので何度も言うように秘密鍵・パスフレーズは紙などに印刷したネット環境から隔離されたところに保存しておきましょう。(PC上に置いておくのは危険なので極力控えるべきです)
また秘密鍵を忘れたというのもセルフGOXとなりますので本当に注意してください。
そうならないためにはビットフライヤーなどの信用にある取引所においておくことですが、取引所がもし破たんした場合は最大100万円までしか保証してくれません。
じゃあもし数千万、いや数億円もの仮想通貨資産がある場合どのように保管すればいいのかというと私の一番オススメする方法はレジャーナノSやTrezor(トレザー)といったハードウェアウォレットに保管するというものです。
⇨Ledger Nano S(レジャーナノS)で仮想通貨を安全に保管する方法を分かりやすく解説!
初めて暗号通貨触られる方が勘違いするといけないので、一部訂正を入れておきます。
信託保全ではないので破綻したらGOXは正しい。
アドレスは漏れても大丈夫、というか公開しなくてもブロックチェーンで誰のでもわかる。
ハッキングされていけないのは、秘密キーとパスフレーズです。— 響@個人トレーダー (@Whiskey_bonbon_) 2017年12月11日
送金での注意点
もし、送金するときにビットコインアドレスの入力を間違えてしまったら、誰のものかわからないそのウォレットに送金されてしまいます。
そのビットコインを取り戻すことは基本的に不可能なので送金する際は、改めてもう一度送金先のウォレットアドレスを確認しましょう。または最初に無くなっても大丈夫くらいの少額をテスト送金してみるのもアリです。
アドレス入力は目で見て一つ一つキー操作で入力するよりも、コピペの方が簡単です。存在しないアドレスならば送金がキャンセルされるので、コピペしたけど一文字ペーストし忘れたとかなら間違って送金されることはないので安心?してください。
⇨【仮想通貨】パブリックチェーンとプライベートチェーンの違い
⇨【徹底比較】初心者にオススメな国内の仮想通貨取引所ランキングまとめ
コメント
はじめまして。最近Rippleに投資し保管方法について調べているのですが
復元鍵(パスフレーズ)は24の単語で構成されるとありますが組み合わせの確率的に秘密鍵より簡単に生成されませんか?
何故そうなっているのでしょうか?
コメントありがとうございます。暗号系は専門外なので正直よくわかりませんが、8桁のPINコードとランダムに生成された24単語の文節を総当たりで特定するのは現在のコンピュータ-の性能でも人間の一生以上の時間がかかるので、理論上かなりセキュリティーが高いと思います。
パスフレーズは7つくらいでも十分なのに、レジャーナノSの場合24もある時点で組み合わせのパターンは飛躍的に増加しますし、物理的にPINとパスフレーズが盗まれてハックされる方が確率も高いと思われます。
https://security.srad.jp/story/15/03/28/2117214/
流石のリサーチ力ですね…。凄い。
刃牙さんのブログは個人的にRipple関連の中でもトップクラスに分かり易い
とブックマークの題名に注釈を入れて登録してます。
ご教授ありがとうございました。