2016年12月に可決された改正資金決済法(仮想通貨法)が、2017年4月から施行されました。
まだ未成熟な仮想通貨市場において、法律を理解するのは重要なので改めてこの法律で理解しておくべきポイントとホワイトリストについて確認していきます。
仮想通貨法とは?
仮想通貨法とは、改正資金決済法において「資金決済に関する法律」の第三章の二「仮想通貨」が追加された条文の事を指します。
同じく仮想通貨交換業に係る各種政令等(仮想通貨交換業者に関する内閣府令、犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令等)についても公布されました。
この法律によって何が起こったのかというと,これまで、ビットコインをはじめとする仮想通貨の法的位置づけは必ずしも明らかではなく、またこれを規制する法律もありませんでした。
この法律の可決によって仮想通貨の法律的立ち位置が確立されたと言えます。そして、これによりビットコインを始めとする仮想通貨が支払い手段の一つとして認められました。
登録制度の導入
また仮想通貨の取り扱い業者に登録制が導入されました。
「仮想通貨交換業」は、内閣総理大臣の登録を受けた者(仮想通貨交換業者)でなければ、行うことは許されません(改正資金決済法63条の2)。
無登録で「仮想通貨交換業」を行った者や、不正の手段により登録を受けた者に対しては、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する」ことになります(改正資金決済法107条2号、5号)
これにより半年間の猶予がありますが、取引所は登録制になり、登録事業者以外は仮想通貨交換業を行うことができなくなります。
これによって、国内の仮想通貨取引所には監査によるバランスシートの開示や顧客資産の分別管理が義務付けられることになり、利用者が安心して利用できる仕組みが整いつつあると言えます。
消費税がなくなる!?
また 2017 年 7 月 1 日より「消費税法施行令の一部を改正する政令」で仮想通貨取引において消費税が非課税になります。
ホワイトリストの導入
そして、取り扱える仮想通貨にも規制が入ります。業界団体は登録事業者が扱うに相応しい仮想通貨のリスト(俗にホワイトリストと言われています)を公表することが求められます。
このホワイトリストにに記載のない仮想通貨は原則として国内で取り扱うことが難しくなります。
一応補足しておくと正確にはホワイトリストというものはありません。
あくまで改正資金決済法の解説pdfの中にある金融庁が近く取扱う仮想通貨が公表するという記載からできたワードでこの近く金融庁が公表する予定の国内の仮想通貨取引所で取り扱いを許可した仮想通貨リストのことを指します。
そのpdf資料がこちらです。これは、金融庁が仮想通貨法(改正資金決済法)にあわせて作成した消費者向けリーフレットです。
色付きで絵もついていて、今回の仮想通貨法にわかりやすくまとまっているので、仮想通貨法とは何ぞや?って人は一度読むことをオススメします。
ホワイトリストの目的
改正資金決済法は利用者保護を目的とした法律です。もちろんホワイトリストも利用者を守るための仕組みになります。
現在のところ仮想通貨は1,000種類以上あり、中にはノアコインなどクローバーコインなど機能に中身がなく、詐欺目的で作られたと疑われている通貨も存在します。
そういったものをこれから市場に参加してくる人が、騙されて掴まされないように弾くことがホワイトリストを作る目的なのです。
ホワイトリストに入る仮想通貨は業界団体がある程度絞り込んで上で精査していく方針のようです。
逆にいえば、現在売買できている仮想通貨もホワイトリスト入りしなければ、扱えなくなる可能性が出てきます。
この結果予想されるのが、ホワイトリスト入りした仮想通貨の価値の向上です。日本は仮想通貨投資が増えているため、海外からもホワイトリストに注目が集まっています。
おそらくリスト入りした通貨は買われる可能性が高いのではないでしょうか?このホワイトリスト入りした仮想通貨は、金融庁HPが随時公表されるようです。
追記:17/10/1
ホワイトリストが発表されました。
⇨仮想通貨交換業者としてZaif・ビットフライヤーなど11社が登録完了!
ホワイトリスト確実な仮想通貨
まず仮想通貨界で最も有名なビットコインはホワイトリスト入りが確実と言えます。
まあ仮想通貨市場で圧倒的なシェアを誇るビットコインが入らなかったら、何が入るんだってレベルですし外れることは絶対にないと言えるでしょう。
他にも既に国内のほとんどの取引所で取り扱いがあるイーサリアムもほぼ確定でしょう。
他の仮想通貨はどうなるか?
ビットコインとイーサリアム以外で、ホワイトリスト入りしそうな可能性がかなり高いのがリップル、ライトコイン、NEMです。
⇨【仮想通貨】NEM(XEM)とは? 購入方法と今後の将来性について
⇨【仮想通貨】リップル(Ripple)とは?その購入方法と将来性について
⇨【仮想通貨】litecoin(ライトコイン)とは?購入方法と今後の将来性
微妙なのがイーサリアムクラシック、LISK、Factom、Augurなど。
⇨【仮想通貨】LISK(LSK)とは?その将来性と購入方法は?
可能性が低そうなのがDASH、Monero、Zcashなどです。(あくまで私個人の一般的な見解からの予想です)。
これらの特徴は匿名性の高さなのですが、それ故にマネーロンダリングなどの犯罪行為に使われる可能性が高いため日本では取り扱われないんじゃないかというのが大半の見方です。
よくビットコインは匿名性が高いためマネーロンダリングなどの犯罪に使われるという人がいますが、ビットコインでは全てのBTCが誰から誰に渡ったのかが台帳に全て記録されているため、実は匿名性はあまりありません。実際、2014年にMt.Goxからビットコインを盗んだとされる人物は先日ギリシャで逮捕されています。
あとは、企業が発行したトークン(ZAIFトークンなど)が法律上どうなるのか?ってところなんですが、ここについてはまだ曖昧で向こうの解釈待ちという状態です。
⇨【仮想通貨】ZAIFトークンはかなりの将来性があるのでは?
⇨【仮想通貨】ブロックチェーンが作るトークンエコノミーの社会
追記:17/10/1
無事ホワイトリスト入りしました!
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