先日仮想通貨『status』のICOのおいて、Ethereum(イーサリアム)の取引ネットワーク混雑しオーバーロード引き起こしました。
他のサイトはよく仮想通貨の華々しい可能性にしか焦点を当てませんが、私はこのブログを訪れてくれた皆さんにイーサリアムの可能性と現状の問題点をしっかりと理解したうえで仮想通貨に投資してほしいので、あえて今回は問題点の方を強調して書こうと思います。
この下落の原因はこれまでとても便利で無敵の仮想通貨だと思っていたイーサリアムが、たかが「ICO」による混雑で停止してしまい、実はビットコインと大差ない性能だったことに市場が気付きガッカリしたことが原因だと私は見ています。
まあイーサネットワークがダウンした理由は『status』という仮想通貨を買うために、イーサの取引が集中したタイミングに合わせて、何者かがDDoS(アクセスを集中させてネットワークに過負荷をかける)攻撃をしたことが原因です。
しかし、これによりイーサネットワークの脆弱性が露呈し、イーサリアムは現状ではまだまだ実用できるものではないという事実を身をもって体験した人は多いと思います。
仮想通貨についてある程度理解している人なら常識なのですが、現在市場で取引されているほぼ全ての仮想通貨は実用化に耐えうる性能はありません。
イーサリアムの場合でも1日で約100万トランザクションしか裁くことができず、クレジットカードなどの処理速度にはまだ到底及びません。
1ブロック15秒毎800万gas
1TXあたり4万gas位として、
1ブロックで200TX
1分で800TX
1時間で48000TX
1日で115万TX ね。100万人が一日一回ポチッとしたら限界ね。
これが現状。
少しずつ上がっていって、2~3年で1秒数万TXまでスケールする。もうちょっと待ってあげてw https://t.co/yeWWW7sT0a— Crypto Chick(通称:ひよこ) (@CCassets) 2018年1月6日
いわばゲームとかでいうとβテストの段階なので、少人数で遊ぶ分には問題ないのですが、製品として世界中で何億人もが使用するにはまだバグがあったり、性能が足りていないのです。
これがビットコインでよく言われる『トランザクション問題』です。
そして、実はイーサリアムも同じ問題を抱えています。今までイーサリアムは取引量が少なかったためこの問題は表面化しませんでした。
しかし今回イーサリアムを使った『ICO』が急増したことで取引が増加し、この問題が浮彫になりました。

またイーサリアムにおけるトランザクション問題は、イーサリアムの特徴である『スマートコントラクト』のために解決が難しいというのが現状です。
というのも、イーサリアムは『スマートコントラクト』というシステムを導入しているため、ブロックチェーンの上に取引情報に加えて、その取引が履行条件されるなど別のデータを載せています。
これによって一回の取引で送受信する情報サイズがどうしても多くなってしまうのです。つまり、Segwitのように情報量を減らして解決することはできず、ネットワーク自体の取引速度(ブロック生成スピード)を高速にしなければいけないのです。
イーサリアムの今後の将来性
上述したようにイーサリアムはまだ試験段階で実用に耐えうる性能ではありません。というのも、リップルやビットコインのようにブロックチェーンに送金だけではなく、契約内容などの他の情報も載せようと試みているからです。
そういった意味ではイーサリアムは仮想通貨の最先端を目指しているのですが、目標が他より高い分課題も多いというのが現状です。
もちろんイーサリアム開発陣もこの問題を重く受け止めており、改善に日々尽力しています。そして、その解決策の手段としてライデンネットワークの導入があります
ライデンネットワーク(Raiden Network)って何?
Raiden は、オフチェーンネットワークを使って、Ethereumを拡張するテクノロジーです。ざっくり説明すると、Raiden Networkがイーサリアムに導入されれば、以下のようなことが実現できることになります。
『Ethereumとリップルなどの他の仮想通貨または現行貨幣との交換』
『超少額で、超高速にトランザクションの処理』
『実用的で高速な分散型取引所(DEX)が利用可能』
『トークンにスマートコントラクトを容易かつ高性能に導入』
『Iotへの応用』
まさに夢のような機能なわけです。これが実現すれば今回の取引の遅延なんてまず起きないのですし、仮想通貨界においても名実ともにビットコインを抜いて、基軸に躍り出る可能性もあるのです。
Raiden Networkはいつできるのか?
公式サイトによれば、2017年3月末にβ版であるRaiden Minimum Viable Product(MVP)をリリースする予定でしたが今のところなにも音沙汰がありません。
他にもメトロポリスというプロジェクトも進んでおり、これらが実装されればイーサリアムの価値は実用性が出来たということで、今の数倍に値上がりするとみています。
つまり今仕込んで握っておけば大きく儲けることができます。
まあイーサリアムはトヨタやIBMといた大企業が開発をバックアップしているので、いずれ完成すると思いますし、期待して気長に待ちましょう。
しかし、企業がイーサリアムに注目しているのはあくまでブロックチェーンに送金情報以外も載せる技術であるスマートコントラクトが目的であって、イーサリアムプロジェクトのプロットフォームである仮想通貨『eth』ではない可能性もあります。
つまりスマコンの技術が確立されれば、いま資本提供している企業群は自分のところでスマコンを搭載した仮想通貨を作る可能性があります。
そうなれば、イーサは技術だけパクられてポイされる可能性も捨てきれません。(それでも今の値段は安すぎるので1eth=数十万円にはなるとは思います)
普通に考えて世界中に回線が開かれているパブリックブロックチェーンのethをそのまま製品に組み込んだら、今回のDDoS攻撃みたいなことをされたら決済ができなくなったりするリスクが高いので、内部情報的なプライベートブロックチェーンで運用したいと思うのが自然でしょう。
→【仮想通貨】ブロックチェーンが作るトークンエコノミーの社会
まとめ
イーサリアムは理想が高いだけに課題もある仮想通貨です。もちろん実現すれば、仮想通貨の名実ともに王者となるので、その将来性とポテンシャルはとても高いと言えます。だからこそ私もオススメ仮想通貨として推しています。
→【仮想通貨】2018年個人的にオススメな草コインを紹介します
ですが、ここで把握しておかなければならない注意点としては『イーサリアムに出資している企業群が必ずしも『eth』を使うとは限らない』ということと『実用化まではまだ遠い』ということです。
SNSを見ているとよく勘違いしている人がいるので改めて強調しておくと、イーサリアムは決してビットコインよりもすべての面において優れた魔法の仮想通貨ではありません。
こういったように、仮想通貨で有名なビットコインやイーサリアムはまだ実用化まで遠いというのが、今の仮想通貨界の現状です。
他の多くのアルトコインもそうなのですが、この中でリップルとNEMだけは別です。なぜかというとリップルやNEMは、銀行や企業間で今回のイーサリアムネットワークがパンクした量のトランザクション処理を滞りなく裁けるかという実験を、既に何度も行っており成功しています。
そして2017年~18年には実用化を開始する予定になっています。ちなみにリップルやNEMは、企業や銀行にプライベートブロックチェーン上で『xrp』や『XEM』を使わせると明言しています。
なので銀行や企業でXRPによる送金、もしくがXEMを使った『mijin』が実用化されれば、その価値が大きく高まることはほぼ確定しています。
⇨【仮想通貨】NEM(XEM)とは? 購入方法と今後の将来性について
もちろんイーサも、高速かつ大量の取引決済処理を実現するライデンネットワークやメトロポリスなどが来れば、よりトランザクション問題はなくなり需要も高まります。
→イーサリアムのメトロポリスの実装時期とETF・ライデンネットワークの予定は?
そうなればその価値は今よりはるかに増大すると思いますが、それは恐らく数年は掛かると思います。
なのでイーサに期待して投資するのであれば、年単位の視点で長期投資をオススメします。それが嫌で今すぐ大儲けする可能性を探したいというのであれば海外の仮想通貨取引所で草コインを弄るというのもアリかもしれません。
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