以前にもビットコインの分裂騒動についてはある程度まとめたのですが、状況が大きく変わってきたので改めて整理しておきます。
⇨【徹底検証】8月1日のビットコイン分裂騒動にどう対応すればいいのか?
⇨【仮想通貨】ビットコインがハードフォーク(分裂)したらどうなるのか!?
これまではマイナーに半強制的にSegwit(取引速度を高めるシステム)を導入させるUASFが分裂騒動の中心だったのですが、UASF(BIP148)が発動すればその仕組みからマイナーはほぼ負けてしまうので、マイナーとしてはUASFが発動する前にフォークしてしまおうという方針で進んでいます。
それがバリー氏が提唱したSegwit2xという新たなスケーラビリティー解決策です。現状ジーハン氏を始めとする中華マイナーはこの2Xを支持を表明しています。
そして、今回有力なのがマイナーとユーザーの間をとったBIP91というプランです。これはSegwit2xがリリースされたら、UASF は起こらないようにするというプロトコルです。
これからの分裂スケジュール
とりあえず18日段階ではsegwit2xのコードがリリースされ、BIP91のシグナリング(ビットコイン改善案として立候補)が開始されました。
今後BIP91のハッシュレート(投票割合)が80%を越えるのであれば、UASFは起こらないことになります。
その代わり上の図からも分かるように、11月に再びHF(分裂)の可能性があります。(要するに分裂を先延ばししただけと言えます)
17日にリリースされたSegwit2XはSegwit自体は導入されていますが、ビットコインの問題であるブロックサイズの引き上げも行こなわれていませんし、ビットコインの大きな問題の一つであるハッシュレート(ビットコイン運営方針について多数決に使う票みたいなもの)の半分以上が中華マイナーに支配されている原因であるASIC BOOSTというマイニングスピード増加バグみたいなものが放置されたままです。
つまりお茶濁しのようなもので、ビットコインの本質的問題である非中央政権のはずなのに中華マイナーの好き放題されているという現状は何も変わっていないのです。
またSegwit2xは、ビットコインのブロックサイズを増やすことで取引速度を高めようとするシステムなのですが、とにかくUASFから逃れるために急ピッチで作ったプログラムなのでバグが多数報告されており、これを無理に実装すると最悪ビットコインが消滅しかねない危険性をはらんでいます。
そして、そんな中新しい動きが出てきました。なんと中華マイナーのジーハン氏が代表を務めつBitmain社がビットコインから分裂し、独自のビットコインであるBitcoin ABC、またはbitcoin cash(BCC)と呼ばれている新しい仮想通貨と発表したのです。
これまではUASFが発動した場合に、UAHFとしてこの新しい仮想通貨をフォークするという姿勢でしたが、今回2xがリリースされアクティベートされそうな状況にも関わらずHF(ハードフォーク)を決行するようです。
この分裂はBitmain社が8月1日21時20分に実行する予定だと宣言しており、具体的な日時を出してきていることから本気では分裂させるつもりだと推測できます。
ですが、これは双方のチェーンは二度と交わることなく完全に別れることができるような策(リプレイプロテクション)が施されており、分裂するにあたって特に危険はなくUASFのようにコインや取引が消えたりする危険性はありません。
そしてこのBitcoin Cashはビットコインではなく、アルトコイン扱いとなるようでビットコインA・ビットコインBみたいに平等に2つに分けるというより、本家を分家に分かれるような分裂になります。
結局分裂するんかい!!
これまでunlimitedや2XやUASFだの色々ありましたが、何とか分裂回避みたいな感じにきていましたが結局こうなりましたね。
まあビットコインのできた流れは宗教に近いので、それと同じように運営方針を巡ってこのように分裂していくのはまあ自然と言えます。
そして、これはビットコイン分裂の始まりにすぎません。というのも今回こういう運営方針の違いで分かれたという前例を作ってしまったので、今後ケンカしたらそのままケンカ別れするのが簡単になってしまうからです。
正直今回のSegwitを導入できたからと言ってビットコインが実用性のあるものになったわけではなく、Segwitはライトニングネットワークという取引決済高速化システムを導入するための前準備にすぎません、
そのSegwitの導入ですらこんなに揉めていますし、11月にも2MBハードフォークが予定されていますので、これからもビットコインも混乱は激しさを増していくと思われます。
そして今回ジーハン氏が自分の既得権益であるASIC BOOSTを残したSegwit2xがアクティベートされそうなのにも関わらず、自ら進んでビットコインコミュニティーを抜けるという行動も少しきな臭いです。
ジーハン氏率いるbitmain社はこれからbitcoinCash(Bitcoin ABC)のマイニングを行うようですがレガシーコイン(元のビットコイン)のマイニングを続ける姿勢のようで、これからもビットコインコミュニティーへの影響力が全くなくなるわけではないようです。
もしかしたらこれから自分のコインを押し上げるために、自分の影響力を使って今の本家のビットコインを滅茶苦茶にしようとしているのかもしれません・・・。
⇨【仮想通貨】マイナーによりビットコインの非中央政権が崩壊する可能性
個人的にはビットコインがこんな感じで身内喧嘩をしている間にリップル辺りが基軸に取って代わると見ています。
とはいえ今のところビットコインの動向はほかの関係ないアルトコインの値動きにも大きな影響を与えていますし。今後もその動向から目が離せません。
とりあえず今後の争点としては、21日にSegwit2Xを採用する案であるBIP91がマイナーの80%の賛同を得て有効かされるかどうかになります。
また新しい動きがありましたら、随時情報を追加していく予定です。
まとめ
Q、8月1日にはビットコインは分裂するの?
A、大きな分裂は起こりませんが、のれん分けみたいなのが発生します。
Q、これでビットコインの抱えている問題は解決?
A、全然解決していません。今回は解決を11月に先送りした感じです。
Q、でもどちらにせよSegwitが導入されるし一歩前進じゃん
A、UASF自体もロールバックなどの混乱が予想されますし、2xも中華マイナーのインチキマイニングを防止できていませんし、コード自体が十分検証されておらず開発者の一部がやばいと言い残して消えるレベルの代物です。これからイーサリアムのようにハッキング騒動が起こるかもしれません。
Q、ビットコインは買い?売り?
A、誰にもわかりません。触らないほうのが吉でしょう。私はアルト買い増しをお勧めします。
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