住民投票の結果
2020年の11月に大阪都構想の住民投票が行われました。結果は賛成が66万7425票、反対が68万898票と反対が賛成を上回り、前回と同じく僅差で都構想は否決されました。
年代別で見ると10代と60代以上は反対多数、それ以外が賛成多数となりました。
結果は、5年前とほぼ同じで、僅差の否決。住民を巻き込んだ10年越しのチャレンジは前回からは多少傾向が和らいだものの、20~50代の現役世代は賛成が過半、60代から反対が多数となり70代以上では6割以上が都構想に反対票を投じました。
まあこれは政治が高齢化によって政治が硬直化してるとか老人の票が選挙のすべてを決めるとかいう世代別の一票の格差の話にもなるんですけど、今回ばかりは都構想は否決されてよかったんじゃないかと思います。と自分が考えるのも、そもそも都構想をやるメリットが維新から何も語られてないし、自分が思うに都構想が可決されたところで市民サービスの質が低下し弱者の切り捨てが加速するだけだと思うからです
そもそも都構想は必要なのか?
都構想は大阪市を四つの国分けるというものですが大阪市が四分割されれば、余分に年間218億円もの巨大なコストがかかってしまう、ということを財政局が試算しており維新の会が歌う大阪都構想最大のメリット「二重行政」の解消効果はあっても年間数億円。コストの方が圧倒的に大きいことが改めて分かった訳です。
しかももう二重行政は維新が市と府で過半数を取っているので、ほぼ解消できてる状態にあります。
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なので大阪都構想が実現しようがしまいが二重行政はもう解消されているし、仮に大阪都構想が実現すると大阪市は政令指定都市から外れるので国からの補助金がなくなるし移行に二重行政以上の膨大な費用が掛かるわけで、大阪市民からするとなんのメリットもないどころかデメリットしかないわけですが、なぜか維新の会は都構想を進めようとしています。これは恐らく維新とパソナの癒着が理由だと思います。
大阪維新の会とパソナの癒着
大阪維新の会は人気弁護士だった橋本徹氏が大阪市役所に巣食う公務員利権を敵としてその地位を拡大してきたわけですが、最近はその維新所属議員の汚職が次々と表ざたとなっており、結局は大阪の権益層が公務員から大阪維新の会とそれに癒着するパソナなどの大企業へと移っただけでした。
いい例が、市の職員を削減する一方で窓口業務を外注化し、そのすべてを人材派遣大手のパソナが受注していることです。今ではすべての区役所の窓口で住民対応するのは非正規のパソナ職員になりました。パソナの会長は大阪市の経済顧問をしている竹中平蔵で“行政のスリム化”の指南役。こんなの完全な利益相反だし、これが本当に“市民のため”の改革なんでしょうか?
昨日、失業して生活相談をしている方(稼働年齢層)
大阪市の保険福祉センターで就労指導としてわたされた書類、履歴書の書き方の指導のようですが、例示で「パソナ太郎」とかかれた書類に愕然としたと。
大阪市の行政まるごとパソナに乗っ取られてるようです。 pic.twitter.com/zwpv3qQrVQ— 小川陽太(日本共産党) (@ogawayota) November 14, 2020
ちなみに窓口業務の外注化は大阪市だけでなく、大阪府をはじめ、維新の首長がいる周辺市の役所にも広がっており、競争入札では常にパソナグループ同士が争う「独占現状」になっている。もちろん職員がパソナから派遣される非正規職員に代わったことで八尾市の窓口業務を委託したパソナ職員による手数料着服事件が起こるなどサービスの低下などの様々な問題が発生しています。これ以外にも大阪市内全域の水道メーター検針・計量審査と水道料金徴収業務は仏ヴェオリア社に委託されており、大阪は維新に代わってから市の公共サービスをどんどん企業に委託し始めています。
都構想は大企業のための政策ではないのか?
そもそも都構想は維新の説明を聞いてもなぜ都構想をするのかが自分には理解できませんした。都になったからと言って経費が浮いてその分市民サービスに還元されるのかというと都になって削減される費用は年数億円なのに対して都への移行によって100億近い費用は余分にかかります。都構想で実現するといったことはわざわざ市を解体して都にしないとやれないことなのか?という疑問がずっとぬぐえませんでした。
しかし都構想がパソナの既得権益の根をより深くするためのものだと考えると自分の中でいろいろと腑に落ちるんですよね。今回は都構想は実現しなかったので何も起こりませんでしたが、おそらく都構想が実現したいた場合それに伴う移行作業の案件が大量にパソナの関連会社が受注する予定だったんじゃないかと思います。その先には夢洲のカジノIRやスーパーシティなどがあったんでしょう。
終わり
大阪都構想は市民サービスを無駄だと切り捨てて弱者へのセーフティネットを無くしてその浮いた金で大企業を誘致してトリクルダウンを起こすというのがパソナと維新の考えなんでしょうけど、それで大阪が栄える≠大阪府民の生活が豊かになるのかな?ってのが個人的な感想です。
実際過去に竹中氏が提唱したアベノミクス・非正規拡大を推し進めた結果、日本は「有効求人倍率が1.00超え!就職者が有利!」といいいつつ実態はブラック・派遣・介護飲食みたいな非正規の仕事ばかりで奴隷同然のブラックで働いている人間の生活は豊かにならず仲介している派遣業者だけが儲かる構図であり、結局彼ら周辺の利害関係者が潤うだけで彼らのグラスからワインはほとんど零れず一般市民にはほとんど還元されない。むしろその間に社会保険料や物価が上がり暮らしはより苦しくなっています。
大阪都構想も同じように、IRや箱物建設に一枚噛んでるパソナなどの大企業と維新が潤いその金で天王寺公園や西成の外観は外国人向けに浄化されて綺麗になりますが、当の大阪市民はパソナに非正規雇用として使い捨ての低賃金で雇われるだけで全然潤わない未来になる気しかしません。
大阪維新だのなんだの言ってますが、改革と銘打って実施した経費削減だと市民サービスを削り、公共事業を民営化してパソナなどの大企業に甘い蜜を吸わせる。結局政府(自民党)がやってることを、大阪維新の会が大阪で同じことをやっているだけで、自分には今のところ維新が大阪の市政を担ってからやったことは改革どころか、権力と癒着した汚職政治にしか見えません。
結局大阪の権益層が太田房江や横山ノック時代に好き勝手やっていた大阪市役所から維新のメンバーに代わっただけで、大阪の腐った状態は何も変わっていないという全員悪者のアウトレイジみたいな状態です。そして都構想において松井氏と吉村氏はただの傀儡でしょう。
コロナの時のインサイダーとしか思えないイソジン会見といい、今回のメリットが全く分からない都構想といい松井氏と吉村氏の行動は意味不明というか支離滅裂です。これらの行動に理屈をつけるなら誰かの指示でやったと考えるのが自然だと思います。裏にいるのは顧問兼パソナ会長の竹中氏などの大企業のお偉いさんや国政の政治家でしょう。都構想は彼らの意向なので、維新の会はまた5年後に都構想を仕掛けると思います。既に松井市長は大阪を4つの分けるという実質都構想みたいな法案を議会にあげようとしています
都構想に可決すればカジノなどの新しい利権が生まれてより維新とパソナなどの企業との癒着が深まるだけ、否決しても腐敗した現状は何も変わらない。大阪維新の会は有権者のほうを向いて政治をしていない、というのが今の大阪の現実だと思います。
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